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財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフは被災地に対する支援を呼びかけています

スリランカとインドネシアは特に深刻な状況:水、薬、シェルターなどが緊急に必要です

ユニセフは、2004年12月26日(日)の地震で発生した大規模な津波に襲われ、深刻な被害を受けた国々に対し、緊急援助を急いでいます。難を逃れた何百、何千の被災者の支援要請に応じていますが、シェルター、水、医薬品等の援助が緊急に必要とされています。

インド、インドネシア、スリランカ、タイ、モルディブなどで何百万もの人たちが津波に襲われました。ユニセフと他の国連機関は現地の政府と協力し、急を要する優先課題を調査し、緊急支援活動を行っています。ユニセフは、現時点で、スリランカとインドネシアがもっとも人道的支援を必要としていると見ています。

「何十万もの人たちが津波の被害から生き残りました。今必要なのは、生存者を津波の二次災害から護ることです」とユニセフ事務局長キャロル・ベラミーは述べています。「われわれは、すべての被災地に安全な水を供給することと、被害の拡大防止に力を注いでいます。子どもたちにとってこれからの数日間が最も重要です」

[スリランカ]
ユニセフは、すでに政府からシェルター供給の要請を受け、3万枚以上の毛布と寝袋、Tシャツやその他の衣料品を現地に備蓄されている支援物資から提供しました。28日には、コペンハーゲンの物資供給センターから45トンの援助物資を、コロンボへ空輸する予定です。支援物資には、病気の子どものために経口補水塩、15,000人に対し3カ月分の医薬品、テントや毛布などのシェルター備品やその他の物資が含まれています。ユニセフでは、スリランカの子どもたちを救うため、およそ600万米ドルの支援が必要だと訴えています。スリランカにある25の州のうち、半分が津波の直撃を受けています。

ユニセフ・スリランカ代表テッド・チャイバンは、また、スリランカの人々と人道支援関係者が、地雷による新たな危険に晒されていると言っています。「埋められていた地雷が、大量の水で地表に浮上し、洗い流されてしまいました。地雷がどこに埋まっているかわからなくなり、注意を呼びかける掲示板も破壊されてしまいました」「地雷の埋設場所が分からないので、今避難している人たちが家に戻る時が、最も危険です」

[インド]
インド:ユニセフは、政府のほか、州や地方の関係当局による援助活動を支援しています。タミル・ナドゥの南部の州で、ユニセフは何百、何千の浄水タブレット、コミュニティ用500リットル入り水タンクを1600個、経口補水塩20万袋、30カ所の健康センターに医薬品、それと3万枚の毛布を提供しました。

今現在、インドの他の州から追加の支援要請は報告されていませんが、アンダマン諸島とニコバー諸島では、深刻な被害が懸念されています。この2島は震源地近くに位置しており、通信手段は依然として復旧していません。

「今この時点で最も必要なのは、安全な飲料水の確保です」ベラミー事務局長は述べています。「一番被害を受けた地域では、井戸などの飲料水の供給源が汚染され壊されてしまっています。安全な水がなくては、人々は汚い水を飲まざるを得ず、病気になってしまいます。これが今、われわれユニセフの最大の不安要因です。」

[インドネシア]
ユニセフの職員は、国連調査チームの一員として、緊急援助要請の調査のためアチェ州に向かいました。コペンハーゲンの物資供給センターでは、援助物資の輸送のため、医薬品、子どもの栄養剤、浄水タブレット、シェルター備品が航空機に積み込まれています。アチェ州の遠隔地域との通信手段は不完全のままですが、人道支援のニーズの全容は48時間以内に明らかになると思われます。

[モルディブ]
津波による最大の被災地モルディブでは、ユニセフをはじめとする国連機関が、現地の政府とともに、国際支援の受け入れを調整しています。支援物資には、緊急の浄水供給、食糧、子どもの衣服、シェルター備品やその他の生活必需品が含まれる予定です。離島との通信手段はいまだ復旧せず、今後、更なる支援ニーズが明らかになるものと予測されます。

タイ、バングラデシュ、ミャンマーのユニセフは、地元の要請に応じるため、現地政府の援助活動を支援しています。被害状況はこれから明らかになると思われますが、これらの国では津波による影響はそれほどないものと思われます。

両親や保護者からはぐれた子ども達のために

ユニセフが受けた報告によると、突然の洪水に襲われ、最も被害の大きかった国の子どもたちの中に、両親とはぐれてしまった子どもも少なからずいるとのことです。ユニセフは状況を調査し、必要があれば、政府や他の援助機関と、保護者とはぐれた子どもの身元確認と、家族とコミュニティを安全な場所へ移動させるよう支援を開始します。

ユニセフは、今回被災した国々全てに以前から事務所を持ち、人道・開発支援の専門家が年間を通じて活動をしています。より包括的な支援計画と国際社会への支援要請は、米国時間29日までにとりまとめ、発表する予定です。

「今は、時間が何よりも大切です」ベラミー事務局長は言います。「何千キロにも及ぶ海岸線には沢山の人々の生活がありました。彼らの家、生活、人生はめちゃくちゃにされました。彼らには、今、私たちの助けが必要なのです」


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◇ 募金のお願い ◇

 (財)日本ユニセフ協会では、被災地域におけるユニセフ活動を支援するための募金を、下記の方法で受け付けています(当協会への募金は寄付金控除の対象となります)。皆様のご協力をお願い致します。