子どもの権利を尊重した学びの環境を整える

子どもの権利が守られた学校・園づくりのためには、「子どもの権利条約」について学び理解するだけでなく、「子どもの権利条約」に照らして学びの環境を整えていくことが欠かせません。それが「Child Rights Education (CRE): 子どもの権利を大切にする教育」では「権利を通しての学び」と呼ばれる、 CREにおいても中核をなす部分です。この「権利を通しての学び」には、2 つの大きな側面があります。

子どもの権利に照らした環境整備

「子どもの権利条約」に照らして、教育環境を整えていきましょう。たとえば、学校・園の設備がすべての子どもたちにとって安全であり、身心の健康に配慮したものであるか。授業での指導法やカリキュラム、また評価方法などが、子どもたちの権利を尊重したものになっているか。また、学校環境や指導法がインクルーシブであり、たとえば障がいをもつ子どもたちなど、特別な支援が必要な子どもたちを含めた、すべての子どもたちの権利を守るものになっているか、などをふりかえり、改善していくことが大切です。

「子どもの権利条約」の精神の推進

「子どもの権利条約」に謳われている精神を、学校・園のあらゆる面に落とし込んでいきましょう。すべての子どもが差別や偏見から守られ、個性や多様性は尊重されているか。おとなたちは子どもたちの意見に真剣に耳を傾けているか。子どもたちの尊厳が守られ、体罰だけでなく暴言などのあらゆる暴力から守られているか。子どもたちが学校生活に積極的に参加することができているか。学校運営において、子どもたちの最善の利益が常に考慮されているか。これらのことを常にふりかえってみてください。自らの権利と尊厳が守られた環境で学ぶことで、子どもたちはその能力や可能性を伸ばしていくことができます。