イエメンはアラビア半島の西南にある、イスラム教の国です。人口は1970万人、国の半分は山で、残りの半分は乾燥した砂漠のような土地です。首都サナアは大変にぎやかなところで、デパートも遊園地も何でもある便利な町です。ですが、イエメンの8割の人は遠く離れた山や砂漠にある村に住んでいます。村ではどんな問題があるのでしょう?

水の問題

村では、安全な飲み水が大変不足しています。飲める水を汲むために毎日2時間から3時間遠くの村から井戸まで山を越えて通う人も少なくありません。この大事な井戸が枯れてしまったために、水が無くて生活できなくなった人々が、村ごと引越しをしなければいけなくなった例もあります。安全な飲み水が近くにないため、池や沼の水を飲んで、病気になる子供達がたくさんいます。

イエメンでは伝統的に、水くみは女性の仕事です。女の子は小さい頃から水くみの手伝いをはじめます。遠いところでは、毎日の水くみ仕事で一日の半分が過ぎてしまいます。このため、女の子は学校に行く時間がありません。忙しくて友達と遊んだり、ゆっくり休む時間もありません。

水くみの順番を待つ女性とこどもたち
10メートル深さの井戸から水をくみ上げるのは力仕事

写真:©UNICEF/Saito

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