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パキスタン:洪水で流されてきた地雷から子どもたちを守る

2010年11月9日


© UNICEF Pakistan/2010/Shandana
地雷の被害を受けたタヤブちゃんと姉のサディアちゃんと両親。パキスタン北西部にあるサドラ・シャリフ村で。

2010年7月、パキスタンで起きた洪水は、人里はなれた村に住む4歳のタヤブちゃんとその家族をおそいました。お父さんのアスラムさんは、農業で家族を養っていました。8月上旬、洪水の水が引き始めたので、アスラムさんは農作物のようすを見るために、畑に行きました。そして、農作物の間にひっかかっていた物を好奇心から家に持ち帰りました。しかし、それは地雷だったのです。アスラムさんの子どもたちはそれを使って遊んでいたところ、地雷は爆発しました。「遊びたいの。でも痛いの。」こう話すタヤブちゃんの片足は、地雷の爆発で失われたのです。

パキスタンでは、紛争をしている近くの地域から洪水によって地雷や爆弾が流されてきて、多くの人が被害にあっています。ユニセフは、現地の団体と協力し、地域の人々に地雷の危険を伝える活動を行っています。また、ボランティアの人たちへの研修も始まっています。ボランティアの人たちが医療的な支援がすぐにできるように応急処置キットが配られています。学校でも子どもたちに地雷の危険を伝える授業が行われています。こうした活動は少しずつ成果をあげ、地雷による被害が起きる前に防いでいます。

財団法人 日本ユニセフ協会