チャド：気候変動の影響で子どもたちが栄養不良に2011年1月24日
5歳のファティメちゃんは、ふつうの5歳の子どもの体重の半分もありません。でも、病院で4週間、治療を受けて、少しずつ良くなってきています。病院に連れてこられたとき、お母さんの腕の中でぐったりとしていて、今よりももっと体重がありませんでした。ファティメちゃんのきょうだいのうち2人は、栄養不良のため病気で亡くなりました。お母さんは、残された子どもたちの命を守ろうと、サヘル砂漠をラクダに乗って何百キロもこえて、マオ市の病院まで助けをもとめに来ました。「ファティメが熱と下痢に苦しんでいたので、とても心配しました。でも神様を信じていました」と話しながら、お母さんはファティメちゃんにミルクをあたえます。 ファティメちゃん一家は、遊牧民です。ラクダを売って生活していましたが、干ばつの影響でそれだけでは生活していくことができなくなったため、お父さんは7ヶ月前に仕事を探しにリビアに行きました。ファティメちゃん一家が暮らすチャド北部のカネムでは、子どもたちの3人に1人は栄養不良になっていると推定されています。 ユニセフは、チャドの保健省や地元のNGOといっしょに、栄養不良の子どもをはやく発見し、治療できるように活動しています。栄養不良を治療するセンターでは、子どもたちの体重をはかり、体重が足りない場合は、お母さんたちに1袋で約500カロリーの栄養がとれるプランピーナッツというペースト状の食品を渡しています。 |
