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ケニア:移動式の小学校で遊牧民の子どもたちも学校に!

2011年12月5日


© UNICEF Somalia/2011/ Abdulle
カロクタニャン小学校で学ぶ子どもたち

レベッカさんは13歳になるまで学校に通ったことがありませんでした。ケニアの小さな村でヤギの世話をして毎日を過ごしていましたが、いつかは学校に行きたいと強く願っていました。そんな中、レベッカさんが暮らすトゥルカナ地方は、長い間干ばつにみまわれ、放牧地帯は干からびていき、遊牧民族の生活はどんどん苦しくなっていきました。「干ばつで私たちの動物が死んでしまった時、将来につながることを得るために、学校に行かなくちゃと思ったんです。」と、レベッカさんは当時を思い出して言います。

2008年、ケニア政府はユニセフの支援を受けて、国内81ヵ所に移動式の小学校を開きました。移動式の小学校のひとつ、カロクタニャン小学校には、レベッカさんをふくめて95名の子どもたちが入学しました。子どもたちの授業が終わると、午後は教育を受けたことがないおとなのための学校に変わります。ユニセフは、教材を届け、男女別のトイレも設置しました。また、近くに掘った深井戸から水道管も引かれる予定です。水道が設置されれば、村の人々は何時間も歩いて水をくみに行かなくてすむようになり、清潔で安全な水を使えるようになります。

トゥルカナ地方では、小学校へ入学する割合がケニアの全国平均よりも低く、教育問題は深刻でした。しかし、移動式の小学校によって遊牧民の子どもたちも教育を受けられるようになり、教育の格差をなくすための一つの解決策となりました。「教育を受けられなければ、何も得ることができない貧しい生活が待っていますが、教育を受けることができれば、将来は豊かな生活を送ることができます。」とレベッカさんは語ります。

財団法人 日本ユニセフ協会