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ニジェール:栄養不良で危険な状態の子どもたち

2012年2月9日


© UNICEF Niger 2012/Tidey
チューブを通して、栄養補給用のミルクをもらうバシラちゃん(4歳)。

4歳のバシラちゃんは病院のベッドに静かに横たわっています。マラリアにかかり、お母さんによって栄養治療センターに連れてこられた時、バシラちゃんは意識がありませんでした。今は、鼻に入れたチューブを通して栄養補給用ミルクをもらい、少しずつ元気を取り戻しています。

サヘル地域と呼ばれるアフリカの西部と中央部の広い地域は干ばつにおそわれ、食糧不足、食料の値上がりによって、およそ100万人もの子どもたちがバシラちゃんのように重度の栄養不良でとても危険な状態にあります。そして、これから数ヶ月間の間にこの事態はさらに深刻になるとみられています。


© UNICEF Niger 2012/Tidey
家畜用の食べ物アンザ。他に食べるものがないので、人々はアンザを口にしている。

ニジェールでは、人口の35%にあたる540万人が食料不足に直面すると予想されています。特に5歳未満の子どもたちは栄養不良に関係した病気になりやすく、40万人近くの子どもたちが重度の急性栄養不良で治療が必要になると見込まれています。作物の収穫が少ないため、食料の値段は2倍近くに上がっています。人々は栽培することも、買うこともできません。生きていくためにはドゥラやアンザと呼ばれる野草や家畜のえさを食べざるをえません。3人の子どもを持つバルキッサさんは、「年の初めからドゥラを食べなければならないなんて、はじめてのことだわ。子どもたちは他のものが欲しいとおねだりするけれど、ほかにあげるものがないんです。」とうったえます。ユニセフは、栄養不良を治療するための栄養補給センターをさらに拡大し、病院に必要な機器などを提供しています。また、安全な水や清潔なトイレを使えるように支援しています。

財団法人 日本ユニセフ協会