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チャド:“十分に食べられない時期 ”に苦しむ子どもたち

2012年2月22日


© UNICEF Chad/2012/Tidey
ユニセフの支援で開かれている診療所で、治療を受けるアブドゥウちゃん(3歳)。

アフリカ中部の国、チャドの小さな町にある診療所でアブドゥウちゃんが重度の急性栄養不良で治療を受けています。3歳になるアブドゥウちゃんの体重はわずか8キロ。母乳を飲んでいる生後9ヶ月の弟の体重とほとんど変わりません。お母さんのアブドゥライさんは、幼い弟には母乳を与えられましたが、アブドゥウちゃんや他の大きな子どもたちには十分に食べさせてあげるだけのお金の余裕がなかったと言います。「とうもろこしはとても高くて、毎日買うことができません。今年は収穫がなかったため、収入がありませんでした。」と話します。

毎年、4月から9月にかけては食料が少なく、十分に食べられない時期ですが、今年は多くの地域がすでに苦しい状況にあります。チャドの人口の半分以上の人々は、1日1.25米ドル(約100円)未満で生活をしています。こうした厳しい状況の中、昨年からの雨不足が作物の不作を引き起こし、子どもたちは栄養不良が原因でさまざまな病気にかかる危険にさらされています。今年、チャドだけで12万7,000人以上の子どもたちが、重度の急性栄養不良に対する治療を必要とすると予想されています。このような子どもたちの命を守るために、ユニセフは急性栄養不良の治療をはじめ、栄養不良を防ぐための食事の取り方を伝えるなど支援を行っています。

財団法人 日本ユニセフ協会