ニジェール：子どもたちの教育と未来をうばう食糧危機2012年4月26日
数ヶ月前まで、オマール・ソウマナくん(12歳)は、ニジェール共和国のダマナで家族と一緒に幸せに暮らしていました。しかし、アフリカのサヘル地域で起きている食糧危機の影響で、オマールくんの住んでいる村でも食糧がなくなっていきました。そして、オマールくんは、首都ニアメに仕事を探しに行くために、学校をやめなければならなくなりました。 オマールくんの仕事はジュースを売ることです。小さな袋に入った果物のジュースが冷やしてあるクーラーボックスを肩にさげ、ジュースを売って歩くのです。「ぼくには、つらい仕事だよ。一日中、歩き通しなんだ。ジュースをたくさん売って稼がないといけなくて、本当に休みがないんだよ」とオマールくんは話します。 このようなことは、オマールくんに限られたことではありません。食糧危機の影響で、今年に入ってすでに4万7,000人の子どもたちが学校をやめています。栄養不良で体力が弱って学校に通えなくなったり、仕事のために学校をやめてしまう子どももいます。 現在、オマールくんは仕事を探すためにニアメに来た二人のお姉さんと一緒に暮らしています。仕事を探しにニアメに来た多くの人たちが暮らすテントで生活をしていますが、水道もトイレもありません。オマールくんたちは稼いだお金をダマナの両親に送り、残りのわずかなお金で生活しながら、いつか村に戻ってまた学校に通いたいと願っています。オマールくんの夢は、学校の先生になることです。 ユニセフは他の団体と協力して、学校に通えず、授業に遅れてしまった子どもたちのために補習授業をスタートしています。 |
