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レバノン:パレスチナ難民が出会う新たな問題

2012年10月16日


© UNICEF Lebanon/2012/Juez
レバノンの難民キャンプで銃を撃つまねをして遊ぶアハメドくん。避難してもなお、シリアで体験した恐怖に苦しめられている子どもたちがたくさんいます。

シリアで起こった武力衝突により、アハメドくん(10歳)(仮名)は、シリアにあるパレスチナ難民キャンプに荷物をすべて置いて家族と一緒にレバノンへ避難をしてきました。お父さんはまだシリアにいて、連絡を取ることができません。
レバノンでは働くことを許されていないため、アハメドくんのお母さんは子どもたちの学費や教科書・文房具代を支払うことができません。さらに、シリアの学校ではすべての授業がアラビア語で行われていましたが、レバノンの公立学校では数学や理科の授業で英語やフランス語が使われているので、授業についていくのが難しい状況です。

アハメドくんのような、シリアからレバノンに逃れてきたパレスチナ難民の子どもたちの教育を受ける権利が守られるよう、ユニセフは国連パレスチナ難民救済事業機関の活動を支援しています。これまでに、学校に戻るための教育セットの配布を行い、今後は、英語やフランス語の授業の補習も行う予定でいます。

ふたつめの難民キャンプで暮らすことになったアハメドくんは、「英語の授業に不安があるけれども、また学校に通って、いつかみんなを治療できるお医者さんになりたい」と将来の夢を語ってくれました。

公益財団法人 日本ユニセフ協会