パレスチナ自治区・ガザ:塩分の濃い水を安全な飲み水に2014年1月14日
安全な水が手に入りにくいパレスチナ自治区のガザでは、飲み水は買わなければなりませんが、値段が高いうえ、水質も良いものではありませんでした。「水道水は塩分が強くて、とても飲むことはできません。」とヌセライト難民キャンプに住むラマダン・アル・エサウイさんは言います。しかし、日本政府やユニセフの支援によって新しく脱塩化プラント(塩分を除く装置)ができ、安全な水が手に入るようになったので、ガザの人々の生活は大きく変わりました。 ガザの水問題はとても深刻です。この地域で井戸や水道などから手に入る水の90%以上は安全ではありません。そして、お店で売られている水も、おそらく半分近くは汚染されたものです。値段も安くなく、貧しい家庭にとって、大きな負担となっています。 「水を買うために、収入の30%を使っている家庭もあります」とユニセフ・パレスチナ事務所の功刀純子(くぬぎじゅんこ)特別代表は話します。 そんな中、ガザの最も貧困に苦しんでいる人々170万人にとって、この水の問題を解決できる希望の光がさしました。塩分を除く脱塩化プラントができたことにより、安全な水を手に入れることができるようになったのです。この地域では、すでに18基の小規模な脱塩化プラントがつくられています。この多くはユニセフの支援によってつくられました。 日本政府の支援のもと、ユニセフは脱塩化プラント3基を建設しました。これは一時間に50立方メートルの水を処理できます。それに加え、一日に50立方メートルの水を処理できる装置も10基建設しました。この支援により、9万5,000人に安全な飲み水を提供することができるようになりました。 ラマダンさんの7才の息子、アハマドくんは、重い水のボトルを持って難民キャンプを行き来する毎日を送らなくてよくなりました。「今までは、寒さの厳しい冬でも、夏の暑さの中でも、妹たちと遠くまで歩いて水を買いに行かなくてはいけませんでした。今は、勉強や友達と遊ぶことに時間が使えるようになってうれしいです。」 ■このニュースのくわしい内容は |