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インド:住民の力でトイレをつくろう

2014年2月27日


© UNIEF India/2014
トイレをつくる住民たち

インド北部のジャールカンド州カドリ地区。ここでは、家にトイレがある家が少なく、わずか数か月前まで、外の茂みなどで用を足していました。そのため、きれいではない環境が原因で感染症にかかってしまう人もたくさんいました。

こうした状況を変えたのが、ユニセフやジャールカンド州政府の支援をうけた村長のオラオンさんと、ボランティアたちの力でした。彼らの努力によって、ガドリ村はジャールカンド州で初めて「屋外排泄(外で用を足すこと)ゼロ」宣言をすることができました。

もともと、ほとんどの住民が外で排泄をしていたガドリ村では、屋外排泄がゼロになることなど想像もできない事でした。みんな、きれいではない環境や屋外排泄によって菌が広がり、感染症にかかってしまうことも知らなかったのです。

もともとトイレを使う習慣のない地域で、トイレで用を足すことを習慣にするのは、簡単なことではありません。村の人たちに納得してもらえるよう、ユニセフのパートナーNGOであるACEが調査を行い、地元のボランティアや公務員を通じて、村の人たちに下痢やマラリア、子どもの栄養不良などと排泄物による汚染の関連性を説明しました。

オラオン村長は、村人たちと話し合い、全ての家庭にトイレを設置することを決定しました。こうして、ガドリ村の生活の質は、見違えるように良くなりました。住民のジャンパさんは、「トイレをもっと早く作るべきでした。そうしたら生活はもっと楽だったでしょう。今は、他人の目を気にして暗がりに行く必要もないのでとても安全ですし、何より、誰かに見られるのではないかという恐れもなくなりました。本当に便利なものです」と笑っていました。

これから半年のあいだに、ジャールカンド州では、20以上の村が屋外排泄ゼロを宣言する見込みです。

■このニュースのくわしい内容は
 インド:住民の力で、屋外排泄ゼロを達成

公益財団法人 日本ユニセフ協会