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中央アフリカ共和国:子どもたちが描く過去の記憶

2014年5月28日


© UNICEF Central African Republic /2014
描いた絵を見せるエミリーちゃん。(10歳)

中央アフリカ共和国では、紛争(ふんそう)が続いているので多くの子どもたちが避難(ひなん)したまま自宅に帰ることができません。

紛争や災害により避難した先では、子どもたちの安全や健康が守られないだけでなく、子どもたちの心のケアがなされないことがあります。ユニセフは、避難先においても「子どもの権利」が守られるように、また傷ついた子どものこころを癒(いや)すことができるように、「子どもにやさしい空間」をつくるお手伝いをしています。

中央アフリカ共和国につくられた「子どもにやさしい空間」では、スポーツやダンス、演劇のほかに、子どもたちが自分の気持ちや体験を絵に描くこともしています。

頭に銃をつきつけられる妊婦(にんぷ)、赤ちゃんが眠る炎につつまれた家、血の海に横たわる死体を見下ろす、ナタを手にする男性…。

これらはすべて「子どもにやさしい空間」で子どもたちが描いたものです。避難してきた子どもたちの多くは、暴力(ぼうりょく)がふるわれる恐ろしい光景を目にしていて、心に傷を負っています。恐ろしい体験のシーンであっても、幸せだったころの感情であっても、自分の感情や体験を描くことは、子どもたちが心に負った傷を治す手助けとなります。

子どもたちのなかには、昔をなつかしむ絵を描く子どもたちもいます。「子どもにやさしい空間」に通う10歳のエミリーちゃんは、かつて暮らしていた家の絵を何度もくりかえし描いています。エミリーちゃんは、絵の中に描かれた自宅に戻ることができる日が来るまで、色鉛筆を手になつかしい故郷を思い続けます。

■このニュースのくわしい内容は
 中央アフリカ共和国:子どもたちが描く過去の記憶。家族の捜索やトラウマを乗り越える手助けに

公益財団法人 日本ユニセフ協会