スワジランド:「決してひとりじゃない」子どもたちを支える相談員2014年5月28日
スワジランドには、虐待(ぎゃくたい)などの暴力(ぼうりょく)をうける子どもがたくさんいます。女の子や幼い子どもたちは特に暴力をうけています。また、スワジランドは、HIV/エイズに感染(かんせん)する人の割合が世界で一番高く、およそ8万人の子どもが、エイズによってお父さんかお母さん、または両方を失っています。親を失った子どもたちのほとんどは、だれにも面倒(めんどう)を見てもらえません。 この地でボランティアの相談員として活動するカニシレ・シメラネさんは、子どもたちが悩(なや)みをうちあけることのできる大切な存在です。カニシレさんは子どもたちに紙芝居を読み聞かせています。子どもをおかしでおびきよせ、暴力をふるうヘビのお話です。ヘビにねらわれた子どもたちはなんとか逃げ出し、ゾウに助けを求めます。「ゾウさんの大きな耳は、危ない目にあった子どもたちの話を聞き逃すことはありませんでした」と、カニシレさんは話します。この紙芝居を通して、悩みをひとりでかかえる必要はなく、力になってくれる人がかならずいることを、子どもたちに伝えています。 スワジランドでは、暴力をうけた女性や子どもたちが助けを求めることはあまりありません。家のことをだれかに相談してはいけない、自分でなんとかしなくてはいけないと、考えているからです。 カニシレさんは、村中の家をひとつひとつまわり、虐待を見逃さないようにする方法や、何かあったときは相談員が力になると伝えています。また、スワジランドには、子どもが安心して遊びや勉強、食事ができるケア施設(しせつ)や、暴力をうけた女性や子どもたちを支えてくれる相談所もあります。 ボランティア相談員たちのおかげで、地域の人たちの考えは変わってきています。子どもが暴力にあっているのを見た人が、相談所や警察(けいさつ)に伝えるようになったのです。これからも、大きな耳を持つゾウのように、カシニレさんたちボランティア相談員が子どもや女性を支えつづけます。 ■このニュースのくわしい内容は |