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シエラレオネ:「平和のための教育」

2014年6月23日


© UNICEF Video
劇には、家庭や学校での暴力が、さらに大きな問題になる可能性があるというメッセージが込められています。

紛争(ふんそう)から10年以上が経ったシエラレオネには、紛争の原因となるかもしれない問題が今でも残っています。そのような状況を変えようと、若者たちは劇(げき)を通して、「暴力をなくし平和な社会をつくっていこう」というメッセージを広めています。

シエラレオネ・ケナマ地区の広場では、多くの人が集まり、劇が始まるのを楽しみに待っています。演劇グループのイブラヒム・ジャロくん(17歳)たちも、新しい劇「血の繋がっていない息子」を演じるのが待ちきれないようです。

イブラヒムくん演じる主人公の男の子は、家族と血がつながっていません。育てのお母さんに暴力(ぼうりょく)を受け、また学校では体罰(たいばつ)を受けています。そうした暴力から逃れるため、イブラヒムくんは家を出て路上での生活を始めることになります。しかし最後には、村長がみんなに自分たちの行動が間違っていたことを気づかせ、先生や育てのお母さんに体罰をやめるように説得するという結末になっています。

20年ほど前には、学校での体罰が原因でとてもいたましい事件が起こりました。学校を退学した男の子たちが、体罰をした先生へのうらみから、多くの先生たちを殺してしまったのです。

イブラヒムくんの演劇グループや教育者は、家庭や学校から体罰をなくすことで、シエラレオネ国内で起こっている暴力をへらすことができ、そして人々が暴力を使わずに争いごとを解決するようになるのではないか、と考えています。

「体罰を許してはいけません。親や先生は、体罰をやめて、子どもたちの教育に力を注ぐべきです。教育が成功への鍵(かぎ)になるのですから」と、イブラヒムくんは語ります。

■このニュースのくわしい内容は
 シエラレオネ:平和のための教育 「暴力や体罰を止めて」 劇を通して、若者が訴える

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