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南スーダン:避難所をおそう洪水、きびしい選択を迫られる母親たち

2014年9月4日


© UNICEF/NYHQ2014-1308/Nesbitt
「一晩中、我が子を抱いて立っていました」と語る女性。

はげしい戦いが続く南スーダン。北部ベンティウにある国連の施設(しせつ)では、多くの人たちが避難(ひなん)を続けています。今この施設では、雨季のはげしい雨により、道路だけでなく家の中までも水に浸(つ)かってしまっています。

家が水に浸かってしまったため、一晩中赤ちゃんを抱いて立っているお母さん。100キロほどの穀物(こくもつ)がはいった袋を背負って歩く男の人。避難してきた人たちは、長い時間、食べる物もなく、避難所でも安心してからだを休めることができません。

施設内にあふれる水は、下水と同じくらいきたなく、げりやコレラなどの感染症(かんせんしょう)が広がるおそれがあります。住民たちは、水が入ってこないよう、泥でかべをつくったり、その泥でできたかべの外に水をすくい出したりしています。水をすくうためのバケツがあれば良い方です。なかにはバケツがなく、スープ皿を使って水をかき出している人もいます。おとなだけでなく、子どもたちも手伝っています。

施設内には、火をおこすためのまきがなく、お母さんたちは子どもに食事をつくってあげることができません。このまま食事がつくれないと、子どもたちは死んでしまうかもしれません。しかし、まきをとりに施設の外へ出ると、おそわれたり、殺されたりすることもあります。

ここでの生活はとてもきびしいですが、避難している人たちは、戦いの恐ろしさから逃れるため、ここで生活することを選びます。

■このニュースのくわしい内容は
 南スーダン:国連施設内の避難所を襲う洪水 厳しい選択を迫られる母親たち

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