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ニューヨーク:施設ではなく、家庭での子育てを

2014年9月10日


© UNICEF/NYHQ2011-1049/Holt
3歳未満の子どものための施設にいる子どもたち。(ブルガリア)

中部・東部ヨーロッパとアジア中央部では、家族のもとをはなれ、施設(しせつ)で生活している子どもがたくさんいます。お金がなく、生活がきびしい家庭では、子どもを施設にあずけたほうが、子どものためになるという考えが広まっているからです。また、子どもに障がいがある、親にお金や、子どもを育てる能力がないといった理由で、子どもが施設にあずけられることもあります。

施設での生活は、子どもたちの身体やこころの成長に影響を与えます。いやがらせや仲間外れ、体罰(たいばつ)や虐待(ぎゃくたい)にあうこともあります。ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、「子どもにとって、家庭でケアされることが最善(さいぜん)であり、施設での養育(よういく)は最後の選択肢であるべきです。子どもたちにとって、支えてくれる人がいる、愛情にあふれる環境で生活できることは、安全な場所を与えられる以上に大切なことです。こうした環境は、子どもたち自身が持つ力を自ら開花させる助けとなり、子どもたちはやがて社会の一員として貢献(こうけん)してくれるようになります」と述べています。

すべての子どもたちがもっている、「親といっしょに暮らす権利」を守るため、いっしょに暮らすことがむずかしい家庭を支援(しえん)することが大切です。また、どうしても親といっしょに生活することができない場合は、地域のなかで子どもを育てたり、里親のもとで暮らせるようにする必要があります。

ユニセフは、それぞれの国と協力して、生活がきびしい子どもと家族への支援に力を入れています。

■このニュースのくわしい内容は
 東部・中部ヨーロッパ/アジア中央部:施設でなく、家庭での養育を 施設で育つ子ども140万人

公益財団法人 日本ユニセフ協会