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タンザニア:ブルンジ難民(なんみん)の子どもたちに安全に学べる場所を

2015年8月12日キゴマ(タンザニア)発


© UNICEF Tanzania/2015/Beechey
仮設の学習スペースで先生のしつもんに手をあげて答える子どもたち。

15歳のリーバイスくんは安全を求めて家族といっしょにブルンジからタンザニア北部へ逃げてきました。リーバイスくんは、草木の中を歩いて逃げたときのこと、8人の兄弟や姉妹の恐怖(きょうふ)におびえた目を今も覚えているといいます。
少し前から、ブルンジの暴力(ぼうりょく)から逃げるために8万人以上が難民となっており、そういった人々は増えつづけています。その数のはんぶん以上が18歳より下の年の子どもたちです。
リーバイスくんがブルンジから逃げてきたのは、6年生のための国の進学(しんがく)テストの直前のことでした。リーバイスくんは学校に通えなくなり、家族のために働かなくてはならなくなり、悲しんでいます。
「学校で勉強(べんきょう)するのがすきです。両親はいつも、教育がすべてだと言っていましたから。子どもたちぜんいんに教育を受ける権利(けんり)があるはずです」
このようなひどい状況下では、教育の権利はいつも軽くみられてしまいます。リーバイスくんのように学校に通えなくなった子どもはたくさんいます。ブルンジ難民の子どもたちが学習をつづけられるように、ユニセフはパートナー団体と力を合わせ、難民キャンプに仮設(かせつ)の学習スペースを開きました。
仮設の学習スペースでは午前と午後の2つのクラスがありますが、教室は生徒たちでいっぱいです。イスが足りず、立ったまま授業を受ける生徒がいるほどです。すべての子どもが参加できるようにするためには、あと120の教室がひつようです。安全な場所で授業を行い、子どもたちに学習してもらうために、ブルンジ難民のボランティアの先生が150人えらばれました。
ユニセフは難民の子どもたちが勉強をつづけていくために、追加のテントやさまざまな物の提供(ていきょう)などを行っています。
「ブルンジにいたときは、ノートやペンなど、学校に通うためのものに不自由しませんでした。でも今は、制服もくつもありません。」とリーバイスくんは言います。
ふるさとから逃げてきた子どもたちは、友だちとも別れてしまいます。しかし、仮設の学習スペースのおかげでリーバイスくんは同じ村から逃げてきた友だちとまた会うことができました。
「学校から家にもどると食べ物があるので、とてもうれしいです。平和は何よりも大切です。兄弟といっしょに遊び、家事や勉強を手伝っています。ぼくにとって、何より平和をかんじるときです」

■このニュースの詳しい内容は
 タンザニア ブルンジ難民の子どもたち 仮設の学習スペースで安全に学べる場所を

公益財団法人 日本ユニセフ協会