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ブラジル:地域の人と一緒に、ジカ熱にかからないための活動をすすめる

2016年2月12日ブラジル発


© UNICEF
ユニセフがSNSを通じて発信した画像。ジカウイルスを運んでくる蚊の発生をふせぐ方法が絵になっている。

2015年10月以降、ジカウイルスの影響(えいきょう)の可能性がある赤ちゃんの「小頭症(しょうとうしょう)」の事例が、ブラジルの北東部などで増えています。ジカウイルスは「ジカ熱」をひきおこすウイルスで、蚊(カ)がそのウイルスを運んできます。おなかの中に赤ちゃんがいる女性がジカ熱にかかってしまうと、生まれてくる赤ちゃんの脳の発達が不十分になる「小頭症」になる可能性がうたがわれています。ブラジル保健省によると、小頭症の疑いがあると報告された事例は去年から5,079件もあります。

ユニセフ・ブラジル事務所の主なとりくみは、さまざまな地域(ちいき)の人と協力して、ネッタイシマカが卵を産みやすい場所をなくすことです。これをジカ熱が広がる可能性が高い地域を中心に行っています。ブラジル事務所はジカウイルスへの対応計画として、①アドボカシ— ②広報・開発コミュニケーション ③モニタリング、の3つのとりくみをあげています。その3つについて、くわしくせつめいします。

①アドボカシ—
アドボカシ—とは、政府やその地域に暮らしている人々に、今起きている問題について正しい知識をもってもらい、その問題にとりくんでもらうための働きかけのことを言います。ユニセフ・ブラジル事務所は各地域にジカ熱にかからないための情報が書かれた資料(しりょう)をくばったりしています。

②広報・開発コミュニケーション
ユニセフはブラジル保健省の広報部門と一緒に、例えばソーシャルメディア(SNS)を通して、ブラジル国民にジカウイルスについてのさまざまな情報をとどけています。また、国民の多くが見たり聞いたりするようなメディアを通じて、ユニセフは、赤ちゃんやおなかの中に赤ちゃんがいる女性がきちんとした支援(しえん)を受けられるようにするべきだ、と強く言っています。

③モニタリング
ブラジル事務所は、感染の傾向やジカ熱へのとりくみを知るために、保健省の情報から現地のようすを監視(かんし)しています。

<抄訳:山本 美帆(明治学院大学)>

■このニュースの詳しい内容は
 小頭症の事例が急増、ジカ熱感染との関連を調査 ユニセフ、感染予防の啓発に各機関・コミュニティと協働

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