シリア:包囲された町、モアダミエで暮らす人びとに支援物資を届けました2016年2月24日 シリア発
6年目をむかえるシリア紛争。シリア国内には、争いのせいで周りの道をすべて止められ、住民たちが閉じ込められたままになっている町が18あります。シリアの首都ダマスカスから10kmほどの場所にあるモアダミエという町もその一つです。 ユニセフなどの国連機関は、モアダミエに入るために、たくさんの手続きと交渉(こうしょう)が必要でしたが、2月には、ついに55台のトラックで必要なものを届けに行くことができました。 「何を持ってきてくれたの?」冬の朝のなかに消えていくトラックを見つめ、学校に行く途中の子どもが目をこすりながらたずねました。「食べ物と、クツだといいな。このクツは長いあいだ履(は)いていたものだけれど、小さくなっちゃったんだ。だってほら、ぼくは成長しているからね」 人が出入りできないこの町では、食べものも、電気も、火を起こすためのライターも、何もかもが足りていません。たくさんの人たちが、助けをもとめて、ユニセフのスタッフのもとにやってきます。 「何年も電気が使えません」と、9歳のウダイくんが語ります。「家には冷蔵庫があるけれど、動いているところを一度も見たことがありません」 近くで13歳の少女が泣きだしました。すると、「この子を両親のもとにつれて行ってくれませんか?」と一人の男性がユニセフのスタッフに話しかけました。「この子は妻(つま)の妹なのですが、妻に会いに来ていたところ、急に道が止められてしまったのです。健康で元気にやっています。でも、両親に会えなくてとても寂しい思いをしているのです」 すると、近くにいた女性が声を上げました。「この子だけではありません。私を含め、多くの人たちがこの地から出られなくなっているのです」 今回の国連機関による合同ミッションを通して、ユニセフは16台のトラックに積まれた8,000セットの冬用キットを届けました。キットには、子ども一人分の冬用のコート、ズボン、セーター、あたたかい下着、くつ下、手ぶくろ、ぼうし、クツが入っています。また、24枚入りのおむつ7,300袋も届けています。 ※子どもたちの名前は仮名です。 ■このニュースの詳しい内容は |