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子どもたちの『 Unfairy Tales (現実の物語) 』

2016年3月29日

中東の国、シリアで紛争がはじまってから、すでに5年以上たちました。長く続く戦いは、人々の生活をこわし、子どもたちから平和な日常をうばいました。安全を求めて、シリアから逃げた難民は480万人。そのうち、250万人以上が子どもです。国を出ても、すぐに安定した生活が手に入るわけではありません。難民となった人々は、たくさんの危険と苦しみの中を、あたりまえの平和を求めて移動を続けています。

ユニセフは、難民となった3人の子どもたちのストーリーをアニメーションにしました。物語のようですが、これはすべて現実のお話です。

マラクとボート
シリアからドイツに向かう途中(とちゅう)、ボートで海をわたったマラクちゃん。
「ボートに水が入ってきて、このまま沈(しず)んで死んでしまうかもしれないって思ったの」とても寒くてとても怖(こわ)い、危険な旅でした。

難民の少年、ムスタファ
戦争で家族がばらばらになってしまったムスタファくん。
お兄さんとの再会を目指して、シリアから旅を続けています。大切なおもちゃは、その途中で手放しました。「言葉も分からないし、だれと友達になればいいの?」今は、友達は一人もいません。

イビネとピロー
シリアでは、怖(こわ)くていつも部屋に隠(かく)れていたイビネちゃん。
枕(まくら=英語で「ピロー」)を片手にシリアから逃(に)げる途中、ボートで海をわたり、何日も歩き続けました。戦争の夢をみて、目が覚めても涙があふれてくるといいます。いまも、恐怖(きょうふ)は消えません。

■アニメーションの題材となったストーリーは
「マラクとボート」
「難民の少年、ムスタファ」

公益財団法人 日本ユニセフ協会