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| —ゴールデンウィークに、関東と東海で会議をしました— |
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(1)子どもネットワーカー会議 in 関東
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5月5&6日、ユニセフハウスで、子どもネットワーカー会議が開かれました。
〜第1日目(5月5日)〜
この日は、朝10:00開始というのに早くから25人前後ネットワーカーが集まり,について学んだり,意見を交換しあったりして、有意義な時間を過ごしました。それでは、そのときの様子をお伝えしたいと思います。
絵本で考える“子ども買春”
まず始めに簡単な自己紹介をしておたがいを知ったところで、私たちは「子どもの権利を買わないで〜プンとミーチャの物語」(大久保真紀さん 作)という絵本をみんなで朗読しました。この絵本は、プンとミーチャという2人の女の子が、別々に同じ買春宿に買われてくるお話です。二人は逃げ、運良く子どもを守ってくれる施設に入ることができましたが、そのあと、ミーチャはエイズという病気でなくなってしまいました…。(この絵本を読んでみたい方は、事務局にお問い合わせください!)
朗読のときの配役:
| ★プン役: |
河原澄江ちゃん |
| ★ミーチャ役: |
品川夏乃ちゃん |
| ★クリン役: |
恩田彩子 |
| ★買いに来る男役: |
溝口由香子ちゃん |
| ★ナレーター: |
その他全員 |
と役割分担して読みました。一人だけで読むときよりも、いろいろ考えさせられました。そしてそのあと、この物語についての感想・意見を発表しあいました。
みんなの感想
- 逃げる勇気があってよかった(守屋さん)
- 同じ17歳なのに生活が残全違う、何か力になりたい(田中さん)
- 売らざるを得ない現状も否めない(加藤さん)
- これは実話で、いまもおきているんだ (岩井くん)
- 私たちは買春の危険などなしに育った。私たちも力になりたい(持丸さん)
- 私たちには、まだ、本当のつらさはわかっていないと思うけれど、それでも、力になれるはず(奥村さん)
- 国の政府など、根本から変えなければ。(恩田さん)
- 親の、買春に対する知識のなさを痛感。もし、買春の現状(工場で働くだけといわれても、買春宿へ回されるなど)だまされないはず。(大貫さん)
- どうして買う人がいるのだろう。(阿由葉さん)
- プンやミーチャも、自分の体験を口にするのはつらいだろう。だから、できる限り私たちの口から伝えよう。(善場さん)
- みな、生きるのに必死。どちらがわるいといってもはじまらないから、根本から変えていこう。(木下さん)
- 発展した文明を、村にも込むことで村が壊れるのはよくない(谷さん)
- 悪循環だ。教授、医者などが、買うことが多いことにショック。その人に教えていかなきゃ。(品川さん)
- 私たちの知らないうちに、また違う物語ができてしまっているんだ(河原さん)
- 安く売るために少しでも豊かになりたい人の心を売るのはよくない(関さん)
- 私が勉強できる環境にいることは幸せなこと。何もできない自分がいつも悔しいけれど、伝えていこう。(中村さん)
- 今も働かされている子はいる。身近なところから協力しよう(吉田実花ちゃん)
- 需要と供給があるからよくない。何か他の働く場を提供したい。(牧田さん)
- 知って、何ができるか考えることは、大事だ。(岡本くん)
- 買春ツアーの規制をしたりしなければ。(萩本さん)
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| その時に出たおもな意見をまとめると、こんなふうになりました。 |
- もっと知らなくちゃいけない。
でも知るだけでも駄目。
それをどう生かすか
- これはノンフィクションなんだ
しかし事実の一部にすぎない。
- 自分達は豊か。それで終わりにしちゃいけないんだ。
日本人が子供を買っている事にショックだった
- 「これが出来る」って今は言えない。
けど…みんなでやっていこうよ。
これ以外にものせきれないほどのたくさんの感想・意見が出ました。みなさんはどう思いましたか?こういう事について家族や友達と話し合ってみるのも私たちがについて考える第一歩かもしれませんね。次にアグネス・チャンさんがタイを訪問したときのことを取り上げたTV番組のビデオを見ました。そこで私達はバンコクでのやみにもぐった買春の実態や心に傷をおったり,HIV/エイズに感染してしまったおさない少女たちの姿を知るのでした。
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ビデオ「子どもの性を買わないで(NHKBSニュースより)」
1998年6月、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんが、現状調査にタイのバンコク、チェンライなどを訪問されました。
ビデオの内容
不景気なのに、日本人向けの繁華街はとてもにぎやかで、きらびやか。そこには、客引きのために、何人もの女の子たちがいます。すごく小さな子も、客引きしています。その子たちの中には、ミャンマーから連れてこられる子も多くいます。とくに、戸籍にのっていない子どもがターゲットになります。山岳民族の生活は、やはり都会に比べて貧しく、今日食べられても明日はどうなるかわからないという状況の中、だまされて、自分から出て行く女の子も少なくないのです。
一人の少女のインタビューがありました。その子は、14歳のときに働き口があるからといって、都会につれられてきたところ、買春宿に入れられました。「とってもこわかった。まったく、(買春というかたちになるなんて、)しらなかった。私のようにだまされないように、よい教育を」と、一生懸命うったえる少女。
タイでは、こうした子ども買春をなくす動きが起こりました。「児童買春禁止法」の成立や、売られた子、売られそうな子を集めて、手に職をつける「女性職業訓練センター」では、就職率は88%にものぼるそうです。
タイのスラムには、「サン」君という子がいました。お父さんは日本人、お母さんは、買春宿で働く女性です。お父さんは日本へ帰り、お母さんは、仕事がしづらいからか、サン君を捨てたのだそうです。そして、スラムの人の好意で、今まで育っています。
このような子ども買春の現状は、アジアだけではなく世界中に広がっているそうです。 |
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アグネスさんは、最後に「日本は経済大国で、日本にはっきり「NO」といえる国が少ない中、私たちが、子ども買春を知り、許さないと思うことが大事です。私も、世界に向けて、日本人で買春している人はほんの一部で、大勢は大反対なんです、大部分は、違うんです、と訴えてきました。だから、私たちには、責任があるのです。」と、おっしゃいました。
私たちネットワーカーも、性的搾取について、原因、対策、私たちにできることを、考えてみました。
●なぜタイなどの国の子供達が性的搾取という行為をされてしまうのか?
- 貧困だから
→政府の政治対策の基盤の弱さ。生産技術の弱さ。
- 知識不足
売られる子供達⇒きちんとした教育を受けていないために買春業者にあっさりだまされてしまう。
買う人&買春業者⇒エイズに対する認識不足、犯罪的行為だということに気づいていない。
- 需要と供給
→買春を求める大人がいるからどんどん子供が売られていく。
- 大人の欲求、娯楽
→知識不足にもかかわるが子供ならエイズにかかる可能性が低いという誤認。
子供という立場の弱さを利用、金のある人間が遊びとしか思っていない。
自分の欲求を理性でコントロールしきれなくなった結果。
- 先進国、開発途上国(注1)という差別的な観念、見方
→自分達の経済力の強さを利用。
タイなどの国に「NO」と言わせない日本人などの圧迫感。
- 買春業者のせこさ
→子供や家族をよい働き場があるといってだます。
(例)「町工場での仕事があるよ」
「都会でウェイトレスの仕事ができるよ」
家族に対しても
「娘を町に出せばきっと裕福に暮らすことができますよ」
- 山村地方の子供の都会へのあこがれ
→働き口が都会だということで都会にいってみたいということで働きにでてしまう。
●どうしたら、この原因を無くせるのだろうか?
ということになり,もう一度グループワークを行いました。番号順にその班の中で一番重要だと思った事を並べています。
| Aグループ |
- 女性・子供に対する差別をなくす
子供の権利の尊重+貧富の差をなくす
- 教育
- 世界中に情報の発進
- 自分達の協力(生の声を聞き,考える)
- 法的規制
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| Bグループ |
- 教育(労働技術を含む)←親の考えを変えさせる,情報etc
- 労働力の提供
- 法律の強化←買う人をなくす事にもつながる
- 事実・情報を広める
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| Cグループ |
- 教育の充実(現地の子供,国内の小・中・高生)
- 子どもの権利条約を再確認
- 現地の「いま」を知る
- 法律の強化
- 現地の政府へのうったえかけ
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| Dグループ |
認識
→実行例として募金・署名・政府にうったえる
→現地に工場などの労働力を →日本では
→講演会・メディア・性教育など
★「基本」は理性などの自分達の根本的見なおし |
| Eグループ |
- 働き口提供
- 教育
- 法律強化
罪の意識を高める
現地調査,状況把握
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ここで共通点として「教育・労働力の提供・法律の強化・私達も含めた人々の協力・知識を養うこと」でありました。
●自分達にできることは?
この時「(上で出た意見は)ちょっと国家レベルだなぁ〜大きすぎるんじゃあ?」という意見が出ましたが,長野から来て参加してくれたネットワーカーから「知事さんや自治体などをうまく活用していける」という意見も出,「首相じゃなくても大臣クラスなら会えないこともない」「自治体やメディアをうまく活用出来ればもっと味方(?)のようなものもでき大きな組織のようなものになれる」という意見も出ました。(このことについては翌日も話し合われました。)そして
自分達の出来る事の一つにSay Yes for Childrenへの参加がある!という意見が生まれました。ここで協会の方からこのSay Yes〜についての説明がありました。ここで先と関連して「知事さんや有名人などにも署名に参加してもらってPR活動をしていくのはどうか」「いかにしてメディアの関心を引くか」などの意見も出ました。
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〜第2日目(5月6日)〜
2日目の6日は、子どもの兵士のことについて、話し合いやビデオ鑑賞などを行ないました。まず、その結果を報告します。
<現状>
- 生まれた時から遊ぶことも、勉強することもなく、日々暴力を目の当たりに。
- 世界には18歳未満の「子ども兵士」が30万人いる。
- 子どもらしさの消えた、鋭い目をしている。
- 時には人を殺すことを強要されることも&。
- 子どもたちは麻薬を飲まされ、戦場の最前線へ出される。
- 子どもの権利条約は15才未満の子どもを兵士として使うことを禁止しているが、「子ども兵士」として戦っている子どもの中には、7才以下の子もいる。
- 軍を離れて学校に戻りたいと思いながら、兵士を続けている子もいる。
<原因>
※なぜ、小さい子どもまでも「子ども兵士として戦う事になったのか。
- 冷戦後、国内の紛争が増加し、村が戦場となり、子どもや女性などの民間人が戦闘に巻き込まれるようになった。
- 戦時でも子どもや女性は標的にしないという伝統的な道徳が失われた。
- 子どもでも使える軽くて操作の簡単な小銃、ライフルなどが増えた。
- 紛争が長期化して大人の兵士が不足し、子どもが貴重な戦力になった。
<解決方法など>
※この様な事を目の当たりにしたユニセフ子どもネットワーカーは、次のような事をやっていきたい!など、意見を出し合いました。
★子どもを兵士にすることを国際法で禁止する。
★子どもを兵士にした人を処罰できるようにする。
◎戦争をなくす
・「戦争がなくなってほしい」という気持ちを増やす。
◎武器を減らす
・これ以上武器を売らないように呼びかける。
・回収するように呼びかける。
◎法律の強化
・国際刑事裁判所
このように、世界中は小さい頃からこのような環境で生まれ、苦しんで、笑顔を失った子どもたちが沢山増えています。私たちユニセフ子どもネットワーカーは、このような現状を目の当たりにし、苦しむ子どもをひとりでも多く減らそうと、署名運動を行います!
みなさんも、このような世界の子どもたちを助ける為にも、署名運動にご協力ください!
以上が、学んだことの「兵士」についてです。
と、いうことで、関東ネットワーカーの結論はこうなりました。 |
| 今まで学んできた事をもとに、ネットワーカーとしての「Say Yes for Children」に対する意見をまとめてそれを活動(署名運動)でアピールしていこう! |
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〜そこで、Say Yes for Childrenをどう広げるか〜
上記の通り、「私たちにできること」ということでもっとも有力な方法が、ユニセフが中心をなり、今年の9月に開かれる「国連子ども特別総会」に向けて世界中で行なわれる「Say
Yes for Children」。そこで、「Say Yes for Children」という署名活動をどうやって広めていくか?ということを話し合いました。
- メディアの協力を得る
新聞社、テレビ局、ラジオ局などで署名キャンペーンのことを取り上げてくれるように、設立記者会見のときにもらった名刺や、知り合い、親戚関係を頼りに連絡をとる。また、新聞の投稿欄に投書する。地方紙や子ども新聞などでも取り上げてもらえれば、多くの人に知ってもらえる。世間に知られることで、より多くの人に署名キャンペーンのことを知ってもらおうという考え。
- 都道府県知事さん、市町村長さんに署名をお願いしに行く
都道府県知事さん、市町村長さんたちに署名に協力してもらうことで、署名キャンペーンが有名になり、マスコミも動く可能性があるのではないかという考え。
- 学校単位の活動
自分が通っている学校や前に通っていた学校の校長先生、生徒会もしくは児童会、ボランティア委員・クラブなどにこの署名キャンペーンのことを伝える手紙を書いたり、交渉する。
- ボランティア団体を通しての活動
ユニセフ以外のボランティア団体、もしくはNGO(政府に所属していない大きな団体のこと)の会報、発行誌などにこの署名キャンペーンのことを載せていただきたいと依頼する。
- 署名用紙の簡略化
いま日本ユニセフ協会が用意している署名用紙は大人向けで難しく、「本当にこの文章で、みんなに理解してもらえるか」という疑問が出ました。なので、今回の学習会では、もっと簡略化して、子どもでもわかるような署名用紙を作るグループを作り、難しいと思われる用語を選び出し、言葉を変えたり、説明を加えたりしました。また、幼稚園児以下の子どもでもわかるような本当にやさしい署名用紙も作りました。
今回集まったネットワーカーたちは、これからどんどん身近な人からの署名を集めていきます。全国のネットワーカーのみなさんも、同封されている署名用紙を使って、活動をしていきましょう!
さぁ〜みなさんでがんばっていきましょう!
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関東会議報告おわり
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