ユニセフ子どもネット 第1回九州支部会報告

編集:新田真之介 三浦麻理英
日時:2001年8月13日(月)10:30〜17:00
場所:福岡サンパレス第一会議室

九州支部会は、参加者に事前に配布した『事前学習プリント』(添付ご参照ください)の内容にしたがって進めました。

プログラム:
<午前の部(10:30〜12:00)>
 自己紹介
 「ユニセフ」って、ナニ?
 「子どもネット」とは?
<午後の部(13:00〜17:00)>
 「子どもの商業的性的搾取」についての学習
 今後の九州支部の活動をみんなで考えていこう

          
以下が、学んだ/話し合った内容です。

1、自己紹介

自己紹介と一緒に、「平和と聞いて思いつく言葉を、思いつくだけ書いてみよう」というプリントで、各自自分の考えを説明した。

2、「ユニセフ」って、ナニ?

ビデオ・プリントで学び、加藤さんから説明をしていただいた。主な内容は下の様。
  • 21億人の子どもが、それぞれ表面的内面的に必要なケア(栄養、教育、保険、水、紛争、災害、ストリートチルドレン、労働)をする組織である。
  • 活動には、資金援助(募金など)と、声(アドボカシー→署名など)の、大きく二つがある。

3、「子どもネット」とは?

事前学習プリントを元に、加藤さんから説明していただいた。
  • これからの世代が考え発言していくグループ
  • アドボカシーが中心
  • 大人になったときに誰もが認め合える社会を長期的につくること

Q1:子どもネットって何をするのか?(これからしていきたい企画なども)

  • 同じ子どもの視点から、自分のことのように考え実行していく
  • 同じ子どもが不幸な目にあっているのなら、何かできる事を実行したい
  • 話し合いや意見交換をして、少しでも協力できる事を考える
  • これからは、すこしでも広めて、たくさんの人と活動したい
  • 友達にも知ってもらいたい

Q2:子どもネットの規約や心得はどうする? [心得]

  • 活動の方針をきっちりきめないと横道にそれそうなので必要
  • 心得としては、どんどんやっていこう!みたいなものがいい
  • 世界にひろめて、世界中の人の心が一つになるようなものがいい
  • 自分のことのように、自分からすすんで、他人任せにしたくない
  • 「子どもネットってなに?」ときかれたときに即答できるようにそういうものがかかれたものがあるといい
  • 会員同士が友達のようなつながりになればいい [規約] ・いいかげんな気持ちにならないように必要
  • 規則のようなカンジがするのできつそう
  • 規約というとかたいけど、最低限のルールは必要

Q3:子どもネットに対して疑問・意見・提案などは?

  • ホームページができたら地方のページがあったらいい
  • 地元で募金や署名などを、ネットワーカーで集まってできたらいい
  • メーリングリストをしていない人・パソコンをもっていないひとも、会議以外で考えたり意見を出せるようなしくみがあったらいい
  • 他の先進国にはないそうなので、世界中で子どもネットワークがひろまったらいい
  • 啓発やPRなどのプリントをつくって、入っていない人(ネットワーカーのクラスメイトなど)にくばれるようにしてはどうかいままだ知名度がひくいので、もっと宣伝してひろめていったらいい
  • 学校のボランティアをしている部活にだけでも入会の方法などの書いたプリントを配ってはどうか
  • 学校にネットワーカーが実際にでむいて学習会を開いてはどうか

Q4:過去の活動(Say Yesの署名など)で、子どもネットの知名度や、反応はどうだったか [知名度]

  • 全く知られていない [反応]
  • 署名かいてといってもどういうものかわかってないので信頼してもらいにくい
  • 先生の許可がおりにくい
  • 内容を理解しようとせずただ名前だけ書く人がいる→そんな署名は意味がない
  • いかにみんなの興味をひいて、いかにわかってもらうかどれだけせつめいできるかが大切だろう
  • ふざけてかいたり聞いてくれない
  • 自分には関係ないというリアクション
  • ユニセフすらどんなものか知らないひともいる
  • ユニセフ→募金→お金出さないといけない→お子使いがへる→いやだとおもわれている

Q5:ホームページ作りに対しての意見は?

  • 知名度を上げるためにとても有効だろう
  • そこから会員登録ができるように
  • 目で見てわかる資料を
  • チャットでディスカッションができたらいい
  • 勉強できるリンクを
  • 質問コーナーの掲示板があったらいい
  • 支部会の報告(議事録や、様子を画像つきでわかりやすく)
  • いろいろな団体にリンクはってもらいたい
  • 子どもネットとは/活動方針/活動の意義などをまずのせるべき
  • かんたんわかりやすいに気をつけて
  • ページを見られない人への配慮を忘れてはならない
  • 直接話し合ったり、行動的な活動(街頭募金や啓発活動)もおろそかにならないように、それを活発にするためのホームページであるといい

4、子どもの商業的性的搾取について

『プンとミーチャのものがたり』の朗読、プリントをつかった加藤さんからの説明、アグネス・チャンさんの現地報告のビデオを通じて、問題の概要を学びました。

○『プンとミーチャのものがたり』を朗読してみて

  • この現状をどうにかできないだろうか
  • すごく悲しい。助けてもらってよかった
  • これ以上こんなことを増やしちゃいけない
  • 一回経験するとたちなおるまでにすごく時間がかかるから、とても大変な問題だ
  • いままで何も知らなかった。すごくショック
  • はじめからだまされてつれていかれるなんて 早くみんなにしらせないと
  • 同じ子どもとして許せない
  • 被害にあうのが貧しい家庭の子どもだ 社会の不平等さを感じさせられる
  • もし知っていても、貧しさから仕方なくいくしかないこともあるんだ
Q1:現在、性的搾取にあっている子にたいして、私たちができる事はなにか
  • 日本人観光客にさせないよううったえていく
  • 「だまされちゃいけませんよ」ということをちゃんと広める
  • 法律を強化するよう要求する
  • 自分や自分のまわりでちゃんと問題としてはなしあって、自分たちが大人になるときにはぜったいなくなるようにしたい
  • 自分たちがちゃんと理解しておいて、サバイバー(※へ)に偏見を持たないようにしたい
  • マスメディアなどが間違った報道をしないように・サイパーポルノの規制を厳しく
  • 法律をきびしくしないとダメだと思う。
  • そういう事実を、全くユニセフなどに興味がないようなひとも考えるような機会をもたないと
  • 性的搾取にあっている子を見つけ出す事は難しいので、これからあう可能性がある子もふくめてすべての子どもが性的搾取にあった時の対処法?を知れるようにする。
    そのために、みんなにカードのようなものを作って配れたらいいと思う。カードには対処法や連絡先?など自分を守る武器になるようなことを載せる。お守りのように精神的にも支えとなるかもしれない。
  • もっと大々的に撲滅キャンペーンを

Q2:過去、性的搾取にあった子へのサポート、心のケアとして私たちができる事はなにか。

  • そのこの気持ちをはなしてもらいたいけど、逆につらい思いをさせてしましそうなので、難しい。
  • なるべく笑顔をひきだせるようなことをしたい
  • いっしょに楽しめる事をしたい
  • そういうことを経験した子に逆に余計つらい事をいってしまいそうなので何もできない
  • 心のケアは自分には難しい
  • 自分たちがそういうことをなくすためにがんばれば支えになるのではないか
  • (人間不信になっているかもしれないので)手紙などをかいて、交流して、信頼関係をつくれたらいい
  • 家族のもとにかえしたり、そのこの家族の仕事がしやすくなるようなしくみはできないだろうか
  • (募金活動をがんばって)ユニセフにもっと職業訓練所などをつくってもらう
  • のこされた家族側の気持ちやサポートも、もっと深く考えたい。
Q3:私たちが日本人(実際に性的搾取をしている人、性的搾取について何も知らない人、誤った知識をもっている人、など)にたいしてできる事は何か。
  • 普通のテレビCMなどのように、関心のない人でもしってもらえるようにしたらいい
  • (国際会議向け以外の)多くのひとにうったえかける意見文をつくる
  • ラジオで「人権啓発」とかあるので、そういうコーナー子どもネットでもてないだろうか(タイのサバイバーが番組やっているらしいので)
  • 雑誌の編集者に話す 
  • 自分たちの活動をもっとメディアにとりあげてもらう
  • 間接的にうったえるのは比較的簡単だがつたわりにくいので、直接街頭でアピールしたほうがいい
  • 子どもネットが企画して、一般の大人でも学生でも参加できるセミナーを開いてはどうか
Q4:「あなたの前に性的搾取にあっているひとがいるとします。あなたなら何とはなしかけますか?」
  • 「にげなよ。だまされちゃだめだよ。」
  • 「あなたは私にとって大切なそんざいだから、何かできる事をしたい。」
  • 「つらいことがあったら、私にうちあけて」
  • 「もっと別の仕事をいっしょにさがそうよ」
  • 「あなたは悪くないよ。」


Q5:「あなたのまえに実際に性的搾取(買春)をしている人、買春宿の支配人がいるとします。あなたなら何といいますか(またはどうしますか。)」

  • 「あなたに犯罪意識はあるのですか?」
  • 「搾取された子どもが今後どうなるのか知っているのですか?」
  • 「お金のために子どもを使っていいのか?」
  • 「おまえのこどもがされたらどうするんだ?」
  • 「あなたにはその子どもの気持ちがわかりますか?」
  • 警察をよぶ
  • 大声でうったえる
  • 子どもをたすけだして施設までつれていく
  • とにかく責める
  • 売春宿の支配人などに、別の仕事を勧める。
    →この人たちも、このような稼ぎ方しか知らないのかもしれない。
    他に仕事がないのかもしれないし。買春宿を減らす事から、性的搾取を減らしていける。
  • 支配人に、しらじらしく?この辺で買春をしている人がいるらしいですよ…と言って、その後、そんな罰がまっているかを話しておどす
  • その行為は犯罪だとわからせ、改心させる
Q6:「あなたの友達に性的搾取について話してみました。友達は、“私には関係のないことじゃない”といっています。あなたなら、友達になんと言いますか。」
  • 「そういう無関心さが、日本を世界1のポルノセンターにしたんだぞ。」
  • 「世界中のこどもたちのことを私と同じくらい大切に思って欲しい。」
  • 「もし自分がされたらどうおもう?」
  • 「こういう人ほどよく買春するんだよね。」
  • 自分も前まで関係ないとおもっていたので、現状や、どんなひどい事かおしえてあげる。
  • 「世界は身近になっているので、君にも関係ある事なんだよ」
  • 子どもネットへさそう
  • 「同じ子どもだから、関係ないことはないんじゃない?」
  • 「あなたが旅行先で誘拐されて買春されたらどうするの?」
  • 「関係ないと思ってるってことは、よく知らないんでしょ。そういう人ほどよく被害にあうんだって。」
  • 「その人の気持ちになった事はありますか?」

5、九州支部について

(1)ユニセフ九州本部事務局長金子さんのおはなし。「ユニセフ九州ではどんな事をやっているのか」
  • 西日本銀行の人がボランティアで活動している。
  • いままでは組織や会社としての活動という傾向がつよかったが、これからは個人の意思を重視した活動も積極的にやっていきたい。
  • 学校からの募金・古切手・使用済みテレホンカード・書損はがきの回収を行っている。
  • 学校での総合的な学習の時間の先生への指導や学校に出向いて講演もしている
(2)子どもネット九州はなにができるか
  • 長期的な休みに、各県をまわり、街頭で啓発運動を展開
  • 市長・知事に話しに行く
  • 九州は東南アジアの国々に近いと思うので、世界に目をむけた活動ができるのではないか
  • その年(またはある期間)の目標や活動計画をたてたらよいのではないか ・定期てきに学習会・会議をもちたい(月に1回くらいで)
(3)心得について(他の地区で話し合われたものをもとに考え直してしてみました。)
  • 短く端的にしたほうがいい
  • 流れに沿ってあったほうがいい
  • 限界ではなく、可能性(…未来)を信じる →子どもには、可能性や未来はたくさんあるし、それを生かすべきだと思う。

《九州の案》 こころえ(ひらがなで)

<知る>○今ある問題について知ろう
<考える>○何ができるかを考えよう
○自由に意見を出し合おう
○人の意見を尊重しよう
<行動する>○積極的に活動しよう
○最後まで責任をもとう
<目標>○変えよう私たちの未来を
 
※編集後記
[新田]
初めての九州支部会ということで、準備などで事務局の加藤さんにはとても迷惑をかけてしましました。 もっとこれからも九州での活動を広めて、活発にしていきたいです。
[三浦]
今回の支部会を実現するにあたって、協力していただいた方々に感謝したいと思います。ありがとうございました!これからは、より良い会議ができるように工夫をして、九州での活動を活発にしていきたいと思います。参加者のみなさん、お疲れ様でした!これからの活動に今回の会議を生かしていきましょう!
以上