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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

アフガニスタンで進む教育の質の改善

近づく新学年を前に、最終段階を迎える新しい教科書作り

カブール
2004年10月22日

 2004年度の学年も終わりに近づく日曜日の10月24日、来年3月からの新学年のスタートを前に、開発の最終段階を迎えている新しい教科書(11科目)が実際の教育現場で使用され、その効果を試されます。

 今回のテストでは、小学校全学年用の教育カリキュラムと教科書の見直し・修正がアフガニスタン国内・国外の専門家で構成されるチームによって行われ、その後、1年以上にわたって続いたプロセスの最終段階に入ります。新しい教科書は来年からアフガニスタンのすべての学校で使用されますが、今回のテストで得られた結果は、開発中の教科書の最終的な変更・修正に役立つものと期待されています。

 テストはアフガニスタン10州にまたがって、都市部・農村部の学校54校で実施される予定です。一年生、および四年生の授業で新しい教科書が実際に使用され、教員訓練や教育指導に携わる18人の専門家がその効果をモニタリング・評価します。新しい教科書についてのフィードバックは先生と生徒の双方から集められ、アフガニスタン教育省内担当部署(Department of Compilation and Translation)に設置された開発チームに対して最終的な勧告が行われます。

 アフガニスタンでは、質の低い教育・学習用教材が教育の改善を妨げる大きな原因のひとつになってきました。教育分野への投資が長年にわたって不足し、教育面における進展から取り残されてきた結果、同国の教育制度は旧態依然とした教育方法を維持しつづけ、そのため多くの子どもたちにとって学校は魅力のない、つまらない場所になってきたのです。新しい教科書は、先生が一方的に説明するのではなく、生徒と先生両者の相互のやりとりに重点をおいて、子どもたち自らが課題について考え、発言できるよう工夫されています。新しい教科書には、目新しいデザインやイラスト、グループ単位での作業やクラス全体での話し合いなどの新しい教育技術がすべて盛り込まれています。

 2005年度には、およそ500万人の子どもたちが学校に通うと期待されています。その大半は小学校に通う子どもたちです。アフガニスタンの子どもが学校に通わない理由のひとつに、学校で授業を受けても何の役にも立たない、という考えが人々の間に広がっていることがあります。そんな状況の中で、新しい教科書は教育の質の向上にとって欠かせない道具となり、アフガニスタンの人々にとっての教育の価値を大いに高めることでしょう。

 教科書の開発は、デンマーク国際開発事業団(DANIDA)とユニセフからの資金援助を受け、アフガニスタン教育省主導のもと、コロンビア大学ティーチャーズカレッジの技術的支援を受けて行われています。

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