メニューをスキップ
財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

インドネシア アチェ初の保健発育センター完成

【2007年1月26日 バンダ・アチェ発】

インドネシアの大津波によって荒廃したアチェと、地震に見舞われたニアス島に、ユニセフが建設を予定している227カ所の母子保健センター。このたび、最初のセンターが完成した。首都バンダ・アチェ郊外に位置する広さ190m2の助産センターと宿舎、タンジュン・ポリンデスは、1月26日に州政府に移譲することになっている。

現在さらに3ヵ所の保健センターが建設中であり、40カ所が入札中、別の80カ所はすでに建設場所が決まって設計に入っている。

ユニセフは、「ポシャンドゥ・プラス」プログラムのもとで、アチェ州全域と北スマトラのニアス島に227カ所の保健センターを建設することを約束した。これは3億3,500万米ドルにも達した、津波被害からの復興支援活動の柱のひとつである。

「ポシャンドゥ・プラス」は、インドネシア政府が30年来継続してきた“ポシャンドゥ”(移動保健チームが1カ月に1度、村々を巡回して家庭内での保健サービスを提供する)という制度を復活し向上させるために計画されたものである。

ユニセフが建設するポシャンドゥ・プラス・センターは、地域社会の助産婦と女性のための基礎的な予防・治療サービスを組み合わせ、妊婦の健康管理や新生児ケア、母乳育児の支援、成長観察、定期的な予防接種、親としての教育、微量栄養素の提供、基礎保健情報、意識改革の推進など、さまざまな基礎サービスも提供する。

サービスの質を一定に保つために、ユニセフはアチェ州保健課やパートナーと協力し保健ケアの担当者を対象にした包括的な研修プログラムを実施することにしている。サービスの質を指導、監視するシステムも計画され、ポシャンドゥ・プラス・センターのサービスの維持と改善を支援する。

保健センターの大半で、3〜6歳の就学前の子どもたちを対象に学習と刺激となる活動を行う発育センターも併設される。ユニセフ・アチェ現地事務所長エドワルド・ベーグベーダー氏は次のように述べた。「家庭を対象とした保健発育センターを通じて、母親、子ども、赤ちゃんが専門的な助産婦のサービスや乳幼児の保健ケア、学習と発育のための活動などをいつでも利用できるようになる。」

「これは、地域社会にとってまったく新しい施設である。今までの何かの代わりではなく、地域社会にこれまでなかったものをもたらす。地域社会に根ざした保健制度を強化することは、子どもの生存と発育に長期的な効果をもたらし、アチェやニアスの復旧と再建、発展を促進する手助けとなるだろう。」

最初に建設される4つのセンターは、試験的にそれぞれが異なるデザインとサイズになっている。タンジュン・ポリンデスは伝統的な石積み様式で建てられ、ベランダと助産婦の宿舎がある。ユニセフがすでに試したもうひとつの様式は、軽量鉄骨構造である。「デザインを最適化する方法を検討しているところである。違う建設技術を試験的に使ってみて、価格や建設期間などを比較する」とベーグベーダー氏は述べる。

ユニセフは、この保健発育センターの建設費として1,100万米ドル、300カ所以上の学校建設費として9,000万米ドルを確保している。ユニセフが建物の建設を担うのは初めてのことである。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る