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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ジンバブエのHIV感染率、ひき続き減少

【2007年10月31日 ハラレ発】

最新のデータによると、ジンバブエのHIV感染率が急速に減少し続け、世界でも顕著な成果をあげていることが明らかになった。

妊婦のHIV感染率は、2002年の25.7%から2004年には21.3%へ、そして2006年には17.7%に減少した。これに伴い、ジンバブエの保健・子ども福祉省と専門家たちは31日、ジンバブエの成人人口のHIV血清陽性率が、15.6%であるという新しい推定値を発表した。

この新しいデータは、若者の態度に変化が見られたことを裏付けるものでもある。妊娠女性の感染率のなかで、減少幅が最大だったのは、15〜24歳。わずか4年間(2002〜2006年)で20.8%から13.1%に減少した。

「若者は性交渉のパートナーの数を減らし、コンドームを使用する機会が多くなっている。かれらは、メッセージに耳を傾け、安全な行動をとるようになった。国家HIV予防プログラムをさらに普及させるために、我々はより一層力を合わせ、活動を継続していかなければならない。」国連人口基金(UNFPA)ジンバブエ事務所長ブルース・キャンベル氏はこのように述べた。

ジンバブエは、HIV/エイズ感染を防ぐために行われている態度を変えるための取り組みの有効性を明らかにすることに貢献した最初の国のひとつである。性交渉のパートナーの数を減らすことや常にコンドームを使用することが、この取り組みの中心となっている。

国家エイズ委員会のリーダシップのもと、ドナーからの財政的支援を受けてユニセフとUNFPAは、学校内外の若者を対象とした態度を変えるためのプログラムを拡大してきた。追加資金援助によりこのプログラムをさらに拡大し、とくに女の子のエンパワーメントや教員研修、スポーツを通じた青少年教育、仲間同士で教えあう活動などを継続することにしている。

今日の声明のなかでジンバブエにある国連諸機関は、広範な態度を変えるための取り組みを継続して推進していくこと、質の高いHIV感染予防サービスや10代の青年の性と生殖に関する保健サービスをだれもが利用できるようにすることに向けて努力する必要性を強調した。現在行なわれている大きな支援なくしては、ジンバブエで見えてきた明るいきざしは継続しないだろう。 教育と保健の分野に早くから投資してきたジンバブエ政府の強いコミットメント、エイズ・トラストファンドの設立、早期に国家エイズ対策プログラム(現在の国家エイズ委員会)を立ち上げたことなどが、今回のHIV感染率減少に大きく影響している。

国連エイズ合同計画(UNAIDS)のジンバブエ事務所長クワメ・アンポマ氏は、次のように述べた。「すべてのパートナーが、HIV/エイズに対して国全体で包括的アプローチを採る「Three Ones」戦略の実践が肝要だ。この数年で我々が達成した最大の成果の一つは、すべてのパートナーが国家エイズ戦略計画を支援し、国家エイズ委員会を中心として全国的な調整機関をひとつ設け、単一の総合的な監視・評価システムを構築するために、真摯に協力し、実現のための努力を結集させたということである。」

ユニセフ・ジンバブエ事務所長フェスト・カビッシュ氏はこう述べている。「ジンバブエの人々は、HIV/エイズを撲滅するために教育を行い、その他さまざまな子どもの死亡原因をなくそうという決意を改めて示した。死亡率は低下しているが、ジンバブエの予防と治療のプログラムを高めることが緊急に必要である。」

現在、治療が必要な人のうち、約3分の2の人が治療をうけていないが、大規模な追加資金援助なしには、すべての人が治療を受けられるようにはならないだろう。また、ジンバブエの母子感染予防サービスが地理的に拡大されている一方で、プログラムの規模を成功裏に拡大するためになすべき多くの課題が残っている。母子感染予防サービスを必要とするHIV陽性の妊婦は9万8,000人と推定されるが、2006年に実際にサービスを受けたのは8500人ほどに過ぎなかった。

「感染率の低下は大変素晴らしいニュースだ」と、ジンバブエWHO事務所長マンドルヘイト氏。「しかしながら、血清陽性率が15.6%といまだに高いことを我々は認識し、気をゆるめてはならない。我々は若者が積極的な行動をとっていることに乗じて、さらに活発に活動を続け、財源を確保する必要がある。HIVとともに生きる人々とその家族への治療、ケア、すべての人にHIV感染予防を行うため、政府の努力を国連諸機関が支援していく姿勢を改めてここに表明する。」

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