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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ、イラクの孤児と弱い立場に置かれた子どもたちの現状に懸念

[2007年6月22日、アンマン/ジュネーブ/ニューヨーク発]

ユニセフは今日(22日)、バグダッドの児童養護施設で放置・虐待されていた子どもたちが発見・報道されたことを受け、これはイラクの孤児と弱い立場にある子どもたちが深刻な脅威にさらされている証しだと述べた。

「イラクでは暴力が日常の出来事になっているとはいえ、これらの映像はきわめて衝撃的である。子どもたちをこのように苦しめることは決して容認できない」。ユニセフ・イラク事務所長ロジャー・ライト氏はこのように述べた。

現在も続く紛争とそれにともなう移動により、すべての子どもたちの福祉が危うい状況にあるが、とりわけ親を失った孤児にそれが当てはまる。自分の子どもに食事を与え、教育を受けさせることに苦闘している家庭が、よその家の子どもの面倒をみることはますます難しくなっている。同時に、イラクでは資格を持った子どもケア・ワーカーの数が減少しており、施設に入れられた子どもに必要な支援を提供することも困難になっている。とくに、特別なニーズを持つ子ども(彼らはおそらく、イラクでもっとも弱い立場に置かれている)に対してはそうである。

ユニセフは、イラクのヌリ・アル・マリキ首相が児童養護施設の子どもたちの現状を国として調査するよう求めたことを歓迎し、イラク政府に対して、全国の児童施設および青少年センターの状況をできるだけ迅速に調査するよう勧告している。子ども関係の施設の管理にとって、開かれたモニタリング・システムは最優先事項のひとつであり、同時に、ケア担当者のスキル改善や、地域社会に根ざした子どものケアなどの代替選択肢の推進も必要である。

ユニセフは、支援の手を差し伸べ、子どもたちを守ろうとする多くのイラク国民の強固な決意に感謝するとともに、その決意が今後も弱まることのないよう求めている。家族や子どもを直接世話する人たちは、子どもを搾取と虐待から守る最前線にいる。紛争や危機の状況のなかで、子どもの安全を確保するために、こういった人々のコミットメントの重要性がかつてないほど高まっている。

「子どもたちをケアすることは、どんな環境にあろうと、人間として第一の責務である。バグダッドの児童養護施設のひどい映像が、イラクの子どもたちのためのさらなる努力を促す推進力となればと願っている」とライト氏は述べた。

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