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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

パキスタン:洪水で被災した南西部の子どもの教育復興に資金が必要

【2007年8月3日 イスラマバード発】

ユニセフは、6月末のサイクロン、Yemyinが原因で起きたパキスタン南西部での洪水被害によって、初等教育が犠牲となることを懸念している。

豪雨によって教育施設は大きな打撃を受けた。自然災害に見舞われたバロチスタン州とシンドゥ州では1,400校あまりが被害を受け、200校以上が押し流された。学校が再開する8月半ばまでに、6万7,300人の児童・生徒が質の高い教育を受けそこなう恐れがある。また、両州では約139校の校舎が洪水により家を失った世帯のための避難場所として使われており、約7,000人の生徒が影響を受けている。一部の村はいまだに水没している。

ユニセフ・パキスタン事務所代表マーティン・ムグワンジャ氏は次のように述べた、「新学期の始まりが近づき、これらの学校は8月半ばに再開される予定であるため、このことが緊急の課題となっている」。シンドゥ州農村部とバロチスタン州の就学率は国内でも最低で、とくに女子の就学率が低い。バロチスタン州では、小学校に通う女子の割合は5人に1人である。「今すぐ行動しなければ、小学校へ就学する少数の子どもたちさえ、学校に来られなくなる恐れがある」とムグワンジャ氏。

洪水によって避難を余儀なくされた37万人を超える人々への支援、および最大250万人にのぼる洪水被災者に不可欠なサービスを復旧するため、国連は7月18日に3,800万米ドルの緊急アピールを発表した。この組織的な対応の一環として、ユニセフは630万米ドルを要請している。水と衛生分野の対策資金は十分にある。しかし、2万人の子どもたちのために質の高い教育を復旧させるのに必要な87万2,000米ドルについては、現在までに6万米ドルが集まっているにすぎない。

ユニセフは地元の教育当局と協力し、新学期の開始にあわせて学校を再開できるよう支援している。学校の備品が洪水で流されてしまったため、ユニセフはバロチスタン州で“スクール・イン・ア・ボックス”と呼ばれるキット80組(3カ月分の教育ニーズに対応)を配布してきた。各キットには生徒80人分と教師1人分の学用品・教材が含まれている。今後数週間に、ユニセフは基本的な学用品を追加提供し、洪水の影響を受けたすべての児童・生徒が教育を継続できるようにする計画である。

資金が入手できれば、ユニセフとパートナー団体・機関は被害の大きかった148校に対して200の仮校舎を提供したいとしている。これによって小学生7,400人が安全な学習環境を利用できるようになる。ユニセフはまた、一部損壊の被害を受けた250校に対しても、復興を支援することにしている。

ムグワンジャ氏は「洪水で被災した子どもたちへの責任を果たすため、ユニセフはドナーやパートナーからの寛大な支援とコミットメントを必要としている」と語った。

パキスタンの洪水被災地域におけるユニセフの水と衛生分野の活動を支えるドナーは、オーストラリア政府(オーストラリア国際開発庁:AusAidを通じて支援)とベルギー政府である。

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