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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

南アジア、いまも数百万人が洪水による被害

【2007年9月21日 ニューデリー発】

雨が降り始めてからほぼ3ヶ月。バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタンの数百万人は、今も洪水と地すべりによる被害に苦しんでいる。

ユニセフは、南アジア地域において、パートナー機関・団体と協力し、病気の発生を予防したり、女性と子どもの健康や栄養問題に対処したり、また、子どもたちが学校に戻れるようにするためのあらゆる努力を行なってきた。


インド

インド政府によると、死者は2,614人、被災者は4,800万人に上っており、その大半はこの2週間で新たな洪水が発生したアッサム州とビハール州に集中している。

洪水の最も深刻な被害を受けたビハール州では、州議会が洪水被災者に計2億5,000万米ドルを補償することを決定した。ユニセフは、政府の支援のもと、50ヵ所の妊産婦診療キャンプを設置したほか、重度の栄養不良児の治療に当たるため、2ヵ所の栄養回復治療センター、また、6万人の児童・生徒の学習ニーズに応えるため、265ヵ所あまりの代替学習スペース(ALS)を設立している。 。

その他の被災地域でも、ユニセフはパートナー機関・団体とともに、緊急医療や浄水剤の提供、安全な飲料水や衛生施設および衛生習慣についての広報活動を行うほか、学校の再開やALS設置のため、教育当局との連携を図っている。

これまでに女性と子どもを含む60万人以上が、診療所やインド全域で活動する移動医療チームから治療を受けている。


バングラデシュ

バングラデシュは第2弾の洪水による被害から回復しつつあるが、これまでに946人が死亡し、約1,330万人が被害を受けている。洪水はおさまり、全体の状況は改善しつつあるが、水が引くのは予想以上に時間がかかっている。

ユニセフとその他の国連諸機関は、被害が深刻だった地域の緊急ニーズ調査(RENA)を完了した。

ユニセフは380メートルトンの栄養補強用ビスケットを準備したが、そのうちの114メートルトンがすでに配布された。また注射用溶液(IV)40万袋と基本的な医薬品が準備され、9,000組のファミリーキット、5,500組のレクリエーション・キット、1,500組の緊急教育キット、47,000枚のビニールシートなどが配布された。

ユニセフをはじめ、セイブ・ザ・チルドレン・オーストラリア、NGOなどによる子どもの保護チームは、洪水の被害を受けた地域で子どものためのレクリエーション・センターを開設し、親が救援物資を受け取りに外出している間、子どもたちが安全にすごせる遊び場を提供している。また、これらのチームは、子どもの保護に関する問題を明らかにし、関連政府機関に報告することになっている。


ネパール

ネパール赤十字によると、モンスーンによる洪水と地すべりによって185人が死亡し、約58万200人が被害を受けた。

ユニセフは、これまでに12,000世帯に食品以外の物資を提供したが、それには経口補水塩61,000袋、衛生キット15,000組、10万人分の浄水薬などが含まれている。

ユニセフはまた、国連ネパールミッション(UNMIN)とともに、ミッションが監視を続けている野営地の人民解放軍(PLA)に対しても、3,800本の浄水剤を提供した。

現在、3郡に殺虫剤処理をした蚊帳4万張りを配布する準備が進められているほか、24郡で壊れた給水施設45〜60基の復旧、被害を受けた郡で300組の学校キットと2万人分の子ども用学習キットの配布なども行なわれている。ユニセフはまた、7郡で女性のコミュニティ保健ボランティアの訓練を支援している。これらのボランティアは、手洗い用の石鹸を携えて12万世帯を対象に知識や情報の普及活動を行なうほか、浄水剤の配布も担うことになっている。


パキスタン

パキスタンでは6月末から7月初めにかけてサイクロン「Yemyin」による豪雨とそれに続く洪水により、バロチスタン州とシンドゥ州で約250万人が被災した。大半の地域で水位は下がってきているが、3つの地区の広大な土地がまだ水没している。これまでに420人が死亡し、今も37万7,000人余りが被害を受けた家に戻ることができない状態にある。

ユニセフはパートナー団体・機関とともに、安全な飲料水や基本的医薬品の提供、教育への支援、最も弱い立場にある子どもや女性への支援などを継続して行っている。

ユニセフはこれまでに22万7,000人に安全な飲料水を提供したほか、22万4,000人の子どもたちにはしかの予防接種を行い、135の学校へ“スクール・イン・ア・ボックス”、96ロールの防水シート、125組のレクリエーション・キットなどを提供した。

現在は、80の移動子ども保護チームを設立したり、40ヵ所で“子どもと女性にやさしいスペース”の設置、、また、約30万人の子どもと女性およびその家族を保護するほか、3,000人の栄養不良児や妊産婦および授乳中の女性を対象に、栄養調査や栄養補助食品の配布などを実施するなどの支援活動を展開している。

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