メニューをスキップ
財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ、クラスター爆弾が子どもに及ぼす脅威について強調

【2008年5月19日 ニューヨーク発】

クラスター爆弾に関するダブリン会議が今日(19日)初日を迎え、100カ国の政府代表が無差別兵器の禁止のための国際条約締結について議論する。

調査によるとクラスター爆弾の犠牲者の約4割が子どもであり、戦争が終結した後も長期にわたり死傷者が出ている。子どもがクラスター爆弾のリスクにさらされやすいのは、それが小さくて光っているために子どもの興味を引くからである。

クラスター爆弾は、その特徴により広範囲に飛び散り、地域を人が住めない状態にしてしまう。小型爆弾は校庭や運動場、そのほか子どもたちが遊んだり探検したりするような場所でしばしば発見される。

クラスター爆弾は60年以上にわたって使用されており、ラオス、ベトナム、カンボジアなどの広範な地域において30年余り被害を及ぼしてきた。最近ではコソボやアフガニスタン、イラクのほか2006年にはレバノン南部でも利用された。

クラスター爆弾は、何十年にもわたって‘作動中’の状態で待機することができる。2008年1月17日、ラオスで子ども9人が村から約50mのところにある古い爆弾穴の周辺で食用の子蟹を探していた。しかし、彼らが見つけたのは1960年代・70年代のベトナム戦争時代のクラスター爆弾であり、それが爆発して4人の少年が死亡、5人が重症を負った。

コソボでは、クラスター爆弾の負傷者の約67%が19歳以下、すなわち負傷者の大多数が子どもであった。

これらは、戦争が終結したあと何十年も経った今も続いている容認しがたいクラスター爆弾の脅威の例である。世界で備蓄されているクラスター爆弾(70カ国以上が保有する膨大な数)のほんの一部でも使われることがあれば、我々は地雷の危機以上のスケールで、人類が苦しむのを目の当たりにすることになるだろう。

クラスター爆弾の禁止についての現在の議論は、2007年2月にオスロで始まった。ダブリン会議はその重要な段階に当たっており、ユニセフはすべての政府に対し、人道・開発・人権などに計り知れない影響を及ぼすクラスター爆弾を禁止する国際的な法律を制定するよう強く要請している。

交渉中の国際条約はクラスター爆弾の使用、開発、生産、備蓄、移送のすべてを禁止し、現在備蓄されている爆弾の破棄を要請し、除去作業やリスク削減、その他のリスク緩和の諸活動および犠牲者への支援を実施する内容となる。

世界には膨大な数のクラスター爆弾が備蓄されているが、この条約はこれからの世代にとって世界を守る一助となり得るだろう。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る