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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ジンバブエ、教育の危機的状況が悪化
農村部ではほぼすべての学校が閉校

【2009年2月10日 ハラレ発】

世界がジンバブエにおける新首相の就任と統一政府の誕生に注目するなか、ユニセフは今日(10日)、ジンバブエの農村部にある学校の94%が閉校されているというデータを発表し、新政府に対して教育分野への取り組みを最優先するよう要請した。

ユニセフ・ジンバブエ事務所ローランド・モナッシュ代表は次のように述べた。「教育の今の状況は国家規模の大惨事である。統一政府は緊急に教育問題に取り組まねばならない。農村部の子どもたちはこれまでも社会的に疎外され、多くは孤児だ。また食糧援助に依存している者も多く、さまざまな分野で苦闘している。さらに今、これらの子どもたちはより良い将来への展望を持つという基本的な権利さえも否定されている。このような状況を断じて受け入れることはできない。」

ジンバブエ国内を定期的に巡回して行なわれる調査結果では、70の学校中66校が閉校していることがわかった。今回の訪問で唯一運営されていた学校でも、生徒の3分の1しか出席していなかった。さらに、閉校している学校の多くは破壊されている。

去年始まった教育危機で顕著なのは、学校に教師が来ないことである。そのために80%以上あった出席率は20%に落ち込み、全国統一試験も延期されたままである。学校は今年度、2週間遅れて始まったが、試験の結果はまだ発表されていない。教師の給与を補助したり、非常に高額な授業料を米ドルで支払うことができる少数の生徒を対象とする都市部のわずかな学校でのみ、学習が行なわれているという状況である。

「すべての子どもが教育を受けることができるようにすること、これは政府の責任だ。教師の給与や学習教材、学校のメンテナンスの経費を親に負担させるべきではない。持続可能なことではないからだ。親の大多数はこの負担を負い続けることはできないし、多くの子どもが取り残されることになるだろう。農村部の学校がそれを証明している。」モナッシュ代表はこのように述べた。

現在崩壊の危機にあるジンバブエの教育制度は、かつてアフリカでも優れた教育制度のひとつだった。

しかしながら過去の栄光は、財政難による多くの問題(教師の給与や学校修繕費用の激減)によってくつがえされた。

すでにユニセフは教室の建設、10万人余りの子どもたちへの学費援助、教科書や学習教材、ボアホール、農村部の学校のトイレなど教育・スポーツ・文化省への支援(過去2年間に1700万米ドル)を提供しているが、学習に教師の存在は不可決であり、教室に教師を戻す支援が必要である。

モナッシュ代表は次のように述べた。「今こそ、強く迅速で断固たる国家のリーダーシップが重要だ。また教育分野への国際社会から支援も同様である。支援を行うすべての関係者は、今こそジンバブエとその子どもたちへのコミットメントを表明する時である。」

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