メニューをスキップ
公益財団法人日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2015年 > ストーリーを読む
 

ミャンマー洪水
被災者の多くは貧困層
ユニセフ情勢レポート(8/5付)

【2015年8月5日 ヤンゴン(ミャンマー)発】

住んでいた家屋が破壊された家族
© UNICEF Myanmar/2015/Mohammad Badrul Hassan
住んでいた家屋が破壊された家族

ミャンマー西部に壊滅的な被害をもたらした豪雨と強風によって、子ども8万8,000人を含む25万人が被災し、報告されている死者数は50人を越えました。

多くのインフラや建物が被災、アクセス困難に

洪水や地滑りによって、国中の道路や橋、学校、保健施設などが破壊されたため、被災地は広範囲にわたってアクセスが困難となり、支援やニーズ調査すら難しい状況となりました。また、洪水に襲われたのが、ラカイン州の避難民のような最も厳しい生活を強いられていた人々であったことが、さらに深刻な状況を生みました。

被災したチン州の子どもたち
© UNICEF Myanmar/2015/Mohammad Badrul Hassan
被災したチン州の子どもたち

最も大きな被害が出ている4つの地域は、ミャンマーの中でも5歳未満児の死亡率が高い場所です。チン州では出生1,000人に対し90人が、マグウェは出生1,000人に対し105人が、5歳に満たずして命を落としています。さらには、ミャンマーの5歳未満の死亡数の22%をマグウェ州とサガイン州が占めているのです。

ユニセフの活動

いま洪水被災地で急務なのは、安全な水、食糧、トイレ、シェルター、子どもたちへの保健ケアや 心理社会的支援などの支援です。ユニセフは、水、衛生、栄養、子どもの保護、教育の分野で、一刻も早く効果的な支援ができるよう、支援機関間の調整を含め支援の主導的役割を担っています。

被災地域に運ばれた、ユニセフの衛生キット
© UNICEF Myanmar/2015/Mohammad Badrul Hassan
被災地域に運ばれた、ユニセフの衛生キット

・チン州

土砂崩れと洪水で送電網も物流も途絶えているため、深刻な食糧難に陥る危険が高まっており、子どもたちの栄養状態が心配されています。ユニセフは、4,000人分の仮設トイレのほか、衛生物資の支援を始めています。

・ラカイン州

ラカインはミャンマーの中でも最も貧しい州のひとつであり、被災者の中には、辺地の貧しい農村の住民や2012年の民族衝突から逃れてきた避難民などが含まれます。ユニセフは、被害の大きい地域のおよそ7,000人に対し、浄水剤、衛生キット、経口補水塩などを提供したり、政府や支援機関による食糧や水の運搬の支援をしています。

・マグウェ州

水は少しずつひいているものの、水が汚染されたことで病気の広がりが懸念されています。3,500の衛生キット(1万7,000人分)や浄水剤が間もなく届けられる予定です。

チン州で発生した洪水
© UNICEF Myanmar/2015/Mohammad Badrul Hassan
チン州で発生した洪水

・サガイン州

すでに起こっていたモンスーンによる洪水に加えてサイクロンの影響を受け、サガイン州では最大の被災者数を出しました。ユニセフは、5万2,000人が15日間安全な水を利用できるよう、浄水剤40万錠を提供しました。また州政府の要請を受け、国内外の支援機関の調整や合同調査などの指揮をとっています。

すべての被災した子どもたち、特に貧困の上に洪水に襲われ二重の困難に直面している人々への支援を拡大するため、ユニセフは923万米ドルの資金を国際社会に求めています。

トップページへ先頭に戻る

>