(財)日本ユニセフ協会  

ユニセフ協会からのお知らせ

2005年8月30日

経済産業省発表に対する(財)日本ユニセフ協会の抗議と経済産業省の謝罪、同省による残余金の寄付について

これまで本ホームページ等で報告申し上げて参りました7月22日付け経済産業省発表(全文はこちら)にて明らかになった同省管理の金員に関する問題について、8月29日、経済産業省は関係者の処分を発表するとともに、残余金51,922,190円を(財)日本ユニセフ協会に寄附すると発表しました。当協会は30日にこの金員が振り込まれていることを確認しました。(8月29日経済産業大臣記者会見概要はこちら

しかしながら、8月30日付け一部新聞で、「裏金は資金の出所に返還することとし、ユニセフに寄付の形で返した」等、誤った形で報道されていることは誠に遺憾であります。

この点に関しては、8月12日に行われた記者会見で、中川昭一経済産業大臣が「問題なのは私たちの資金管理体制で、ユニセフには何の落ち度もない」こと、また「この金員が預り金ではない」ことを明言していますので、ここに重ねてご報告いたします

【これまでの経緯】

7月22日付け経済産業省の当初発表について、7月28日、(財)日本ユニセフ協会は、経済産業省に対し以下のとおり強く抗議すると共に文書による謝罪を求めました。

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経済産業大臣 中川 昭一 様

2005年7月22日付け経済産業省の発表について

国連児童基金(ユニセフ)駐日事務所ならびに財団法人日本ユニセフ協会は、7月22日(金)、貴省より、事前の事実関係の確認および当方の了承が全く無いまま、標記の記者発表につき一方的通知を受けました。

同発表では、当該する金員があたかもユニセフからの預かり金であったかのような誤解を与える説明がなされたため、一部新聞では「預かった事務管理費の残金を返還せず引き継いできた」等と報道され、ユニセフの資金管理に対する疑念、および、不正に対する加担の誤解と疑念を多くの国民に与える結果となりました。特に(財)日本ユニセフ協会は日本における信頼性の構築の上に、世界一の民間募金額をユニセフに拠出しているにも拘わらず、今回の件により、多くの支援者から苦情と叱責が寄せられ、月例募金の解約に至るケースも数多く発生するなど、実質的な損害すら生じつつあります。

その後のユニセフ並びに貴省の調査で、本件に係わる金員については、いわゆる預け金ではなく、昭和45年頃に業務代行の経費としての支払いが終了し、ユニセフと貴省間の経理上の関係は完了していることが判明しております。すなわち、ユニセフは正当な取り決めに基づく業務代行経費の支払いを行ったのであり、支払われた金員が貴省大臣官房会計課に保管されていたことは、貴省内部の問題であっても、ユニセフの側にはこの問題について何らの責任が無いことは、現在までの調査で確認されており、本件についてユニセフとの関連が言及される必然性は無かったわけであります。

貴省は内部の問題にもかかわらず、ユニセフとの関連性に言及・示唆し、ユニセフの名誉を傷つけられました。よって(財)日本ユニセフ協会は、日本においてユニセフを代表する唯一の民間組織として、貴省に対し強く抗議するとともに、国民のユニセフに対する信頼を回復するためにも、ここに文書による謝罪を求めるものです。

                                2005年7月28日

                   (自署)


  財団法人 日本ユニセフ協会
 会長   澄田  智

 

写し送付先: 外務大臣 町村信孝 様
         国連児童基金駐日事務所代表 浦元義照 様

(財)日本ユニセフ協会から経済産業省への申し入れ(7月28日)オリジナルはこちら

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これに対し、8月10日、中川昭一経済産業大臣自署名の謝罪文が同省大臣官房会計課長高原一郎氏によって陳謝の言葉とともに日本ユニセフ協会に届けられました。全文は次の通りです。

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財団法人 日本ユニセフ協会会長
       澄田 智 殿

当省は、官房企画室の資金問題を端緒として調査を行ってまいりましたが、その結果、大臣官房会計課において国際連合児童基金(ユニセフ)の受託業務に関連した金員が発見されたことから、7月22日の記者会見において発表を行いました。

発表において、私からは、昭和36年度から通商産業省がユニセフ業務を受託してきたこと、受託業務の実施に必要な事務管理費が当省に支払われ、その残余金が大臣官房会計課において引き継がれてきたこと、早急にユニセフ等関係機関に対して問い合わせるよう事務方に指示をしたこと等を申し上げました。

その際、この金員がユニセフからの預り金でそもそもユニセフに返還されるべきものを引き継いできたとの説明は行っておりません。貴協会におかれましては、この点についてご理解頂ければ幸いです。しかし、結果的に、一部報道によって、貴協会の支援者の方々に誤解が生ずるなどご迷惑をおかけいたしました。この点についてお詫び申し上げます。

いずれにせよ、現在、本件金員を巡る事実関係について調査を行っているところであり、調査結果についてはあらためて御報告申し上げたいと思います。

                             2005年8月10日                               経済産業大臣

                   (自署)


   中川 昭一

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日本ユニセフ協会は、高原氏に対し、そもそも7月22日付経済産業省の発表において「ユニセフ」の名称が言及される必然性が無かったにも拘らず、本回答ではこの点が明らかにされていない点に不満が残る旨申し入れ、今後の事実関係の究明に期待すると伝えました。

経済産業省 中川昭一経済産業大臣による謝罪文(8月10日)オリジナルはこちら

8月12日、中川経済産業大臣は臨時記者会見を開き、本件に関わる金員は、あくまでも経済産業省が管理するお金であり、ユニセフには一切責任は無く、にも関わらず、ユニセフ支援者の方々に、ユニセフの資金管理に対する疑念、および、不正に対する加担の誤解と疑念を与えてしまったことについて、ユニセフ、日本ユニセフ協会、ユニセフ支援者の皆様に対する謝罪の意を表明しています。

8月12日臨時記者会見の概要はこちら(PDFファイル/1.6MB)

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