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ユニセフ協会からのお知らせ

4月25日は世界マラリア・デー:
ユニセフ、マラリア予防のため、対策の継続を世界に求める!

【2008年4月25日 ニューヨーク発】

ルワンダの子どもが自分の目線で撮影した、巨大な蚊のレプリカ
©UNICEF/ HQ04-1261/ Pirozz
子どものベッドに、殺虫剤入りの蚊帳を広げる母親。パプアニューギニアの首都近くの村で。

2008年4月25日の世界マラリア・デーに際して、ユニセフは、マラリアを予防するための努力を継続するように訴えています。

「マラリアで未だに、毎年、100万人以上が亡くなっている、特に子どもたちが犠牲になっているのは、許容しがたいことです。マラリアは、蚊帳の利用と他の有効であると確かめられた、総合的な地域密着プログラムによる介入で、治療可能で予防可能な病気です。」と、ユニセフ事務局長のアン・ベネマンは話します。

ユニセフと、WHO、その協力団体が「マラリア撃退運動」を始めて10年、マラリアはいまだに、アフリカにおいて子どもの死因の中で、最大の単一疾患です。この病気は、毎日、3000人の子どもの命を奪っているのです。

3億5千万人以上が毎年、マラリアに感染していますが、その90パーセントは、サハラ以南のアフリカのひとびとです。マラリア撃退運動が功を奏して、数百万の子どもと住民がマラリアの治療と予防策を受けられるようになりましたが、いまだに、その脅威は残っています。

政府や公的機関、民間組織とともに、マラリア対策に協力した団体が、この世界マラリア・デーに際して、世界的なマラリア撃退対策を強化するために、集まります。

“マラリア予防のために、蚊帳を使おう”というスローガンの、リベリアにある病院の壁絵。
©UNICEF/ HQ07-0590/Giacomo Pirozzi
 “マラリア予防のために、蚊帳を使おう”というスローガンの、リベリアにある病院の壁絵。

マラリアは、治療可能・予防可能な病気

マラリアが風土病となっている地域の政府は、マラリア対策に公的保健予算の40パーセントも費やさなければなりません。この支出は、経済発展の大きな打撃となり、安全な水や改善された衛生施設、殺虫剤散布や殺虫剤入りの蚊帳の大量配布など、マラリアの治療と予防の対策の費用を賄うのには、依然、十分ではありません。

2003年以来、ほとんどのアフリカの国々が、アルテミシニン(抗マラリア薬)を基礎薬にした併用療法(ACT治療)を推奨する、以前よりも有効なWHOのマラリア治療に移行しました。世界のACT治療利用は、2004年に400万投与未満であったものが、2006年には1億投与以上まで、大きく増加しました。

データ推移が確認できる20カ国中16カ国で、殺虫剤入りの蚊帳の利用が、2000年から3倍に増加しています。 ユニセフは、殺虫剤入りの蚊帳の、世界最大の調達先であり、2007年には、1880万張を提供しています。これらの90パーセント以上は、作用持続型の殺虫剤入りの蚊帳で、殺虫剤の塗りなおしは不要です。こうした蚊帳は、妊産婦や幼い子どもに配られます。蚊帳の配布は、出産前ケアや予防接種を含む総合的プログラムの一部なのです。

マラリア撃退運動は、地域・国家のマラリア対策に資金提供して参加もしています。マラリア予防と早期治療の重要性に対する意識を高めてきました。これまでの道のりは長かったですが、これからも協力団体がマラリア対策を成功させられるように、資金提供の継続が必要です。

ルワンダの子どもが自分の目線で撮影した、巨大な蚊のレプリカ
©UNICEF/ HQ07-2140/Archie Pahi
リベリアとサハラ以南のアフリカ全域で、マラリアは5歳未満の子どもの最大の死因です。そのリベリアの子どもたちが、自分の目線で、この病気の怖さを知り、コミュニティーでの対策を探るために、写真を撮影しました。
フォトエッセイはこちら(英語)>>

国境のない病気

今やマラリアは、世界の人口の4割が住む、107の国と地域で、風土病となっています。つまり、「国境のない病気」となっているのです。このことは、今回、初めての世界マラリア・デーの主題となっています。

「エチオピアでは、マラリア予防ができる長時間作用型の殺虫剤入り蚊帳1800万張が2005以来、配布されてきました。ケニアでは、ここ5年間で、1000万張が配布されました。こうした成功から、一致団結して行動を起こせばできることがわかります。しかし、約80万人のアフリカの子どもたちがいまだに、毎年、マラリアで死亡していますが、まだ成すべきことが山ほどあるのは明らかです。」と、アン・ベネマン事務局長は話します。

世界中でマラリアへの警戒が高まり、ここ数年の間に、十分な対策資源が手に入るようになりました。ユニセフだけではなく、世界エイズ・結核・マラリア基金や、米大統領マラリア対策、世界銀行その他の活動の賜物です。こうした基金により、現在、マラリア対策率が急速に改善して規模拡大が進んでいるのです。

世界マラリア・デーの背景

世界全体でマラリアを予防するには、32億米ドル(約3300億円)が必要だと見積もられています。公的あるいは民間の委員会や協力団体を通じて、マラリア撃退運動は10億米ドル以上を拠出してきました。

マラリアを本当に予防しようとするなら、より強固な世界、地域、各国の協力のもと、さらに、対策の規模を拡大しなければなりません。より持続的な資金提供、そして、コミュニティーの参加とリーダーシップが推奨されなければならないのです。

また、ミレニアム開発目標にある、極度の貧困と子どもの死亡率削減を達成するためにも、マラリアが風土病である国に、予防対策のための投資をして、さらに支援する必要があるでしょう。 マラリア撃退のためには、世界全体が予防対策に取り組むことが必要なのです。

世界マラリア・デーに向けて、ユニセフからのキー・メッセージ

マラリアは、特にアフリカの子どもと女性にとって、重大な健康問題です。ユニセフは、より広範で、包括的な妊産婦と子どもの保健サービスを提供する、継続したマラリア予防の総合対策を呼びかけてまいります。

ユニセフは、マラリア対策の成果をすぐに挙げなければならないと主張しています。更に規模を拡大したマラリアの予防と対策が必要です。持続的な資金供給、コミュニティーの関与とリーダーシップ、そして、より強力な世界、地域、国家レベルでの連携が必要とされています。

ユニセフは、地域密着型と、地域主導の保健開発プログラムに対して、重大な必要性を重視しています。

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