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ユニセフ協会からのお知らせ

レーク事務局長  女の子教育の加速を訴える

【2010年5月17日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2010-0908/Shryock
セネガルの首都ダカールのHLM地区で、たくさんの子どもたちに囲まれる中、ユニセフのTシャツを来た男の子を抱え上げたレーク事務局長。

“教育とジェンダーの平等”をテーマにした国際会議で、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、2015年までにミレニアム開発目標を達成するための取り組みを加速するよう求めました。

「人々が力を発揮できる環境を整える:教育と平等」と題された今回の国際会議は、国連女子教育イニシアチブ(UNGEI)主導で開催されました。セネガルの首都ダカールで開かれた本会議は、教育におけるジェンダーの格差をなくすため、10年間に及ぶ重要な進展を果たしてきたUNGEIグローバルパートナーシップの10周年を記念する会議でもありました。

この間に見られた進展は、十分なものではありませんでした。しかしながら、この進展が、ミレニアム開発目標の普遍的な初等教育の達成とジェンダーの平等を推進する目安となっています。

「もしこの改善のペースが現状のまま続けば、2015年には、まだ約5,600万人の子どもたちが学校に通うことができないことになります。残念ながら、これが現実です。」レーク事務局長は、開会式典でこのように話しました。「さらに、もっと悪いことに、こうした子どもたちは、最も貧しい国々に暮らす、最も支援の届き難い状況にある、最も大きな障害のある、克服することが最も困難な場所にいる子どもたちなのです。」

教育普及への障壁

レーク事務局長は、子どもたちが学校に通い続けるために、そして全ての子どもたちが等しく教育の機会を得られるようにするための様々な取り組みに立ちはだかっている最も大きな障壁のいくつかを例示しました。

  • いわゆる“5番目のグループ”と呼ばれる社会の中で最も貧しい人口層の下位20パーセントの子どもたちは、最も裕福な人口層の上位20パーセントよりも初等教育を受けていない傾向が非常に高い。
  • 貧困な農村部の家庭の女の子は、初等教育から取り残される可能性が最も高い。
  • 先住民族や少数民族の子どもたちは、障害のある子どもと同様に、学校に通うことができなかったり、在籍していない傾向が最も高い。

「こうした子どもたちが“忘れられた子どもたち”です」「ただ、社会の経済的、社会的な不平等のために、ただ貧しいところに生まれたために、ただ女として生まれたために、誤った慣習のために、取り残されているのです。」(レーク事務局長)

世界を変えるのは子どもたち
© UNICEF Senegal/2010/Shryock
セネガルのダカールで開かれた国際会議の開会式で演説するユニセフのアンソニー・レーク事務局長。

こうした困難に加え、世界的な経済危機によって、教育への投資を削減している国もある中、ユニセフのレーク事務局長は、取り残された子どもたちのニーズを無視することは、「道徳的に弁解の余地がないだけでなく、国づくりを考える上でも短視観的だ」と訴えました。

「2015年に向けた取り組みの中で、私たちが力を注がなければならないのは、まさにこうした忘れられた子どもたちだと信じています。」 全てのミレニアム開発目標の核には子どもたちがいると語るパン・ギムン国連事務総長に賛同して、レーク事務局長はこのように述べました。

実際、特に教育を受けた女の子は、家族やコミュニティ、社会全体の変革を促す役割を担っていることが証明されています。女の子に質の高い教育を提供することは、貧困を脱却し、病気を防ぎ、経済的な発達を向上させる非常に効果的な手段となり得るのです。

「ユニセフにとって、子どもの生存の問題であろうと、妊産婦と子どもの保健の問題であろうと、あるいは子どもの保護の問題であろうと、全ての問題の克服には、長い目で見れば、教育にかかっているのです。」「教育が、ユニセフの活動の成果を持続させる唯一の道なのです。」(レーク事務局長)

あらゆる取り組みの中で

こうした理由から、セネガルでの国際会議で、UNGEI パートナー団体は、教育とジェンダーの課題に、さらなる国際的な支援を求めるべく議論を進めています。また、各国政府に対し、積極的に国の政策の中で教育を重視するようアドボカシー(政策提言)活動も行っています。

しかし、レーク事務局長は、同時に、教育だけでは社会的な地位は平等にならないと警告しました。「国々は、時として、教育によって、非常に重要なジェンダーの平等を達成することができます。しかし、社会の全ての分野で、女性がより重要な参加の機会を得るような変革はもたらされていません。」

学校に通うことを手助けする社会的な支援のネットワークの中に、女の子を参加させること、また生活に影響を与える決定を下す場面に積極的に女の子の参加を促すことによって、完全な参加は促進され得るのです。

「今こそ、より広範囲な取り組みの中でジェンダーの平等を捉え、私たちの取り組みを加速する時です。」「それが、私たちがここで決意すべきことです。」(レーク事務局長)

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