セイドゥ・クリバリさん―職業訓練校の校長先生

職業訓練校では、小学校に入学できなかったり、退学してしまったりした9歳から15歳の子どもたちを受け入れています。

小学校を退学する子どもの割合はとても高いです。でもこれは子どもの問題というよりは親の問題です。子どもの成績が良くないのをとがめ、家の手伝いをさせたりしているのです。また、そんな親たちは学校へ支払うお金がないと言うかもしれませんが、授業料は無料です。ただ、子どもをたくさん通わせている家庭は、PTA費用の負担が重く感じるかもしれません。また、子どもの数が少ない親たちは、家の手伝いをするようにと退学させてしまいがちです。その他、自分たちのニーズに学校が合っていないと感じている親たちもいます。仕事や収入といった形で、目に見えて生活に役立つものを手に入れる前に、子どもたちはまず小学校で6年間、そして中学校で4年間を過ごさなければならず、そしてさらに高等学校や大学に進学する子どももいるかもしれません。ところが、例えばその子どもが学校を辞めて牛を育てると、ほんの2年のうちに家畜を2頭手に入れることができます。このことに比べると、学校に行っている時間は長くて意味がないのではないかと親たちは感じてしまうのです。

子どもたちも、学校に通っている時間をもどかしく感じ、お金に魅力を感じることがあるようです。子どもたちは、学校を辞めれば、働き給料がもらえると思っています。だから彼らは仕事を探し求めて家を出ます。やがてお金を持って家に帰ると、自転車を買い、家族と農業をするのです。養わなければならない家族がたくさんいますが、農作物だけでは家族の分すらまかなえません。農業以外の仕事で収入を得ることが必要だったのかもしれないということに気づき、そこでようやく彼らが教育の必要性を実感するのです。

そのことが、職業訓練校にたくさんの子どもたちが集まる一つの要因です。開校した時には、生徒数はたった40人でしたが、生徒の数は年々増えてきています。今年は83名(女子36名、男子47名)の生徒がいます。親たちが、職業訓練校の存在を意識し、子どもたちに与えてくれるものの大きさに気づけば気づくほど、需要が高まり続けています。

私はこの学校で働くことにやりがいを感じています。ブルキナファソは資金力のない貧しい国です。親たちは、子どもたちが仕事を見つけ、就職するまでの間は勉強をするものだということを理解しています。だからこそ、このような職業訓練校がとても重要なのです。学校に通う期間は長くはないですが、若い人たちが読み書きなどの学力を身につけ、彼ら自身が仕事をして何かを作り出せるようになります。そういったことが、子どもたちの将来だけでなく家族やこの村にも必ず役に立つのです。