ファティマタ・デンベレさん―幼稚園の先生

私は子どもが大好きで、教育を受けています。そのため、村に幼稚園が開園するとき、先生になってほしいと頼まれました。

先生をしているのはお金を稼ぐことが目的ではありません。子どもたちのためです。子どもたちが心を開いて何でも言いたいことを言える、したいことができるようになってほしいです。また、幼稚園を卒業した後の学校教育で、必要な知識や技術を身につけてもらいたいと思っています。私はフランス語の発音や数字、計算の初歩を教えています。私たちは歌ったり踊ったり、お話や詩を読んだりします。子どもたちは先生や友達同士でお互いを尊敬することを学びます。礼儀作法も身につけます。じっと座っていることやグループ行動をすることの大切さを知るのです。

私は子どもの保護者、特に母親たちのために役に立ちたいと思っています。私自身8人の子どもがいます。そのうちの3人は私と一緒に幼稚園に通っています。小さな子どもが家にいる間に、家のことをきちんとすませるのが、どんなに大変なのか私は分かりすぎるほど分かっています。幼稚園に子どもが通ってくれれば、その間だけでも母親たちは自由になり、自分たちの仕事ができるのです。

今、幼稚園には3歳から5歳の子どもたちが61人いますが、先生は私1人だけです。最初は若い女性が2人、私と一緒に先生としての研修を受けていましたが、給料が支払われないため2人とも辞めてしまいました。

どんなに子どもが好きでも、完全に落ち込んでしまうようなこともあります。例えば今日の出来事。読み聞かせをしようとしていましたが、ほとんど声がかれてしまいました。泣き叫ぶ子、けんかをしている子、教室の中や外を走り回る子。向こうの方の床でおもらしをしてしまった子を見つければ、後始末をしなければなりません。たくさんの子どもたちがいるため、規律を守るのが難しいですし、全員に目を配ることができないときもあります。

教材が足りないため、私の仕事は本当に大変です。人形もあることはありますが、全員には行きわたりません。ある子に人形を渡してしまうと、他の子たちはけんかになります。積み木は1ケースありますが、やはり数が足りません。石版は10枚、あとは折れて短くなったチョークしかないのです。幸いにも母の会のメンバーが毎朝軽食を作りに来てくれます。手伝ってもらいたいときには彼女たちにお願いすることもできますが、教室内でのこととなると私1人で何とかしなければなりません。

教材がたくさんあって、人手ももっとあれば、幼稚園は今よりきっとよくなります。それでも、子どもたちに将来に向けた準備をさせる、ここ幼稚園での取り組みに引き続き力を尽くしていきます。