学校と井戸
学校に井戸を作ろう!

© UNICEF Ciacomo Pirozzi

もし、一つしか井戸をつくれないとしたら、みなさんならどこに作りますか?
ユニセフが考える答えのひとつは「学校」です。井戸を学校に作れば、子どもたちは水くみに学校へやってきます。 子どもたちは学校で読み書きや計算を学ぶだけでなく、安全な水やトイレを使う衛生的な生活を身につけ、家庭に持ち帰ることで、村全体の衛生意識が高まります。

たったひとつの井戸が、大勢の子どもたちの命を守り、村の健康な新しい未来を切りひらく源になるのです。

学校と井戸
井戸から始まる希望の循環〜ザンビア〜

© UNICEF video
ザンビアの小学校の子どもたち水と衛生についての知識を身につけています。

ザンビア、コマ地区にある公立小学校。600人の子どもたちが通っています。
この学校が特に力を入れている授業は、「水と衛生」。
トイレを使おう、食事の前には手を洗おうなど、衛生的な生活についての 授業です。学校で教わった子どもたちは、家に帰ってそれを家族に伝えます。 すると家族にもその大切さが伝わり、よりたくさんの人びとが衛生についてよく知るようになるからです。

「子どもたちは素晴らしい先生です!」と話すのは、校長先生のミルトン氏。 「水と衛生についての知識を吸収して今度は自分たちが先生となって 家族に、地元住民たちに、健康でいるための情報を伝えています 生徒たちはコミュニティの健康に一役買っているんです。」

学校と井戸

Bond between school and community
井戸からはじまる希望の循環

学校に作られた「あるもの」も、コミュニティの健康に貢献しています。 その「あるもの」とは、ユニセフが作った井戸です。 学校にできた井戸は、地元住民の大切な水源です。 何百という世帯がこの井戸を頼っています。

© UNICEF video
生徒たちによる劇団
井戸の周りが舞台です。歌や踊りで、衛生的な生活習慣についてのメッセージを伝えています。

井戸の建設には、住民たちもかかわりました。 コミュニティがひとつになって、汗を流して作った井戸。 井戸から水が湧き出る瞬間をともに分かち合い、 住民たちの結束が深まりました。
井戸を共有する感覚、井戸を共に守る責任感が 人々の間の絆を強くしています。
この小学校には、生徒たちによる劇団があります。 今ではもっぱら、井戸の周りが劇場となっています。 観客は生徒や先生、それに、水くみに訪れる村の人たちです。

学校と井戸

家族とコミュニティが健康でいるために、水と衛生を テーマにした歌や踊りで、大切な知識を広めることで、 コミュニティの意識を高めています。

「学校には、安全な飲み水と衛生施設がありませんでした。」校長先生は振り返ります。 「子どもたち、特に女の子たちは途中で学校をやめてしまう傾向にありました。 でもユニセフが作ってくれた井戸とトイレのお陰で、生徒数が200人増え、 今では600人の生徒がこの学校に通っています。病気になる生徒は少なくなり、学校もコミュニティも、ユニセフの井戸の恩恵を受けています。」

ユニセフは、2008年3月までにザンビア全国の100の学校で井戸とトイレを建設しました。
またひとつ、またひとつ、井戸から希望が循環しはじめています。