安全な水を世界の子どもたちに

現地リポート

井戸から生まれるたくさんの笑顔

井戸から生まれるたくさんの笑顔
学ぶチャンスを得た女の子
紅海南部地域で出会った12歳の女の子の住む村に、ユニセフは井戸をつくりました。 女の子は以前のように毎日数時間を水汲みに費やす必要が無くなりました。 そのため学校を休む必要も無くなり、教育を続けることができるようになったとのことです。 コミュニティに井戸を設置することによりこの村だけで300人を超える住民が長い距離を歩くことなく安全な水にアクセスできるようになりました。
“石鹸で手を洗いましょう”学校では衛生に関する授業も行います

紅海地域では2007年に感染性の下痢が発生したため、 衛生教育と安全な水の確保が最も重要な課題となっています。 更に、子どもたちが常に安全な水と適切な衛生施設にアクセスできると同時に、 女の子が学校に行きやすくなるよう、同じ地域の学校にも水施設と男女別のトイレを設置し、 女子就学率の向上を目指しています。

国内避難民、新境地に井戸が出来て・・・

国内避難民の再定住先ユニセフは給水施設を設置(左)ユニセフが設置した井戸で給水する女の子(右)

また、2006年から2007年にかけて、およそ4万人の国内避難民が出身地に帰還したり、 新しい地域に移住していきました。 ユニセフは、再定住先のコミュニティに新しい井戸を建設するほか医療施設や学校にも水施設を設置しました。
長年の避難生活を経て新しい地域に再定住する国内避難民にとって最も困難なことは、水や医療施設などの基礎的なインフラの不足です。
再定住先のコミュニティに新しい井戸があれば、水くみの重労働から解放されます。 先にお話した40歳のお母さんの負担も軽減されたことは言うまでもありません。

子どもたちを守る先頭にたって

Adi Bayle School の女子生徒たち

ユニセフはエリトリアで活動している数少ない開発・人道支援機関であるため、 私たちの活動がこの国の子どもたちの健康と発育に直接影響を与えるともいえます。 それだけに、毎日の仕事に使命感と充実感を感じています。 エリトリア政府のカウンターパートも非常に難しい状況に置かれながらも、子どもたちの未来のために一生懸命仕事をしているため、一緒に仕事をしていてとてもやりがいを感じます。

エリトリア、静かなる緊急事態
長年の国境紛争を経て1993年に独立したエリトリア。エチオピアとの国境問題が依然として解決されないなか、依然として多くの兵士が動員されており、まだ完全に平和な状態であるとはいえません。 経済状況が悪化する中、子どもたちは貧困、干ばつ、水と食糧不足の打撃を受けています。 ミャンマー、ダルフール、中国など多くの緊急事態に国際社会の関心が集まるなか、エリトリアは忘れられた「静かなる緊急事態」になりつつあります。今年は「アフリカの角」地域の干ばつと食料危機が懸念されているだけに、引き続き皆さまの温かいご支援をお願いいたします。

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