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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ケニア:
妊産婦・新生児破傷風から女の子と将来の赤ちゃんを守る
学校と協力して予防接種キャンペーンを実施

【2014年6月2日 ケニア・ナイロビ発】

5歳未満で死亡する子どものうち、新生児が占める割合は44%です。国連ミレニアム開発目標の基準である1990年と比較すると、5歳未満児の死亡数は確実に減少しているものの、そのうちの新生児死亡が占める割合は、当時よりも現在のほうが高くなっています。新生児死亡の多くは、貧しく、最も困難な状況に置かれている家庭で起こっています。医学雑誌「ランセット」で発表された論文によると、毎年300万人の子どもたちが生まれて1カ月以内に死亡しています。しかしその多くは、出産前後により質の良いケアを受けることができれば、守ることのできる命です。

今日、アリアフォンスさんは破傷風の予防接種を受ける予定です。この予防接種で、感染すれば死に至る危険もある破傷風から、自分自身と将来産まれる可能性のある子どもを守ることができます。

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破傷風の予防接種を受けるため、バリンゴ湖をボートで渡って保健センターへ向かう人々
© UNICEF Video
破傷風の予防接種を受けるため、バリンゴ湖をボートで渡って保健センターへ向かう人々。

生まれて初めて破傷風の予防接種を受ける15歳の少女、アリアフォンス・アリアテさんは少し緊張しています。

アリアフォンスさんが通う、ケニア・バリンゴにあるカトゥイート小学校では、生徒に予防接種を行っています。

「先生が破傷風について教えてくれました。破傷風にかからないためには、予防接種がとても大切です」とアリアフォンスさんが語ります。

命を守る注射

妊産婦・新生児破傷風は、新生児が感染すると死に至る確率が高い、とても危険な病気です。貧困家庭の病気と言われ、予防接種や出産時、出産前後の適切な医療ケアが十分ではない地域で、多く症例が確認されています。

破傷風は「命を奪う、静かな脅威」として知られています。破傷風に感染した多くの新生児や母親は、医療従事者の診察を受けることがないまま、自宅で命を落とします。時には、出産や死亡などが報告されないことさえあります。

予防接種や出産時、出産前後に、質の高い医療ケアを実施することで、最も簡単で効果的に、破傷風のような予防可能な病気から女性や子どもの命を守ることができます。妊産婦・新生児破傷風は、女性が予防接種を受けることで防ぐことができます。そして母親が予防接種を受けることでできる免疫は、妊娠中に赤ちゃんにも移行されます。

ケニア各地で行われる予防接種キャンペーン

保健センターで破傷風の予防接種を受ける女の子
© UNICEF Video
保健センターで破傷風の予防接種を受ける女の子。

破傷風からケニアの女性と子どもを守るため、ケニア各地で予防接種キャンペーンが実施されました。アリアフォンスさんも、キャンペーンの実施によって予防接種を受けることができました。このキャンペーンには60のサブカウンティ―(地方自治体)が参加し、子どもを出産する年齢の女性たちと将来の赤ちゃんの命を守るために、それぞれの地域で予防接種を実施しました。

アリアフォンスさんが暮らすバリンゴ地区は、破傷風の感染リスクが高い地域のひとつです。この地区では、13万人の女性や子どもへの予防接種を目標に掲げ、キャンペーンが実施されました。

バリンゴ地区保健課長代理のチャールズ・クルターグ医師が、破傷風の様々な感染経路や予防接種の重要性について語ります。「切り傷や適切な処置がされないままの傷、そして特に出産時にへその緒を切り離すために使用する、消毒されていない医療器具が原因で破傷風に感染します。また、出産時に母親から子どもに感染することもあります」

学校を巻き込むことがキャンペーン成功の鍵

アリアフォンスさんが自身が通うカトゥイート小学校で予防接種を受けたように、キャンペーンの成功には、学校との協力が極めて重要です。医療サービスが十分に整っていない地域の女の子全員に、確実に予防接種を届けるためです。

カトゥイート小学校のアン・タラム先生は、学校を巻き込んでキャンペーンを実施することで、生徒だけでなく、学校に通学していない生徒の姉妹にも予防接種を行うことができると語ります。

「生徒には予防接種は必ず受けるように伝えています」と、タラム先生が語ります。

予防接種により、アリアフォンスさんと将来産まれる子どもを“静かな脅威”から守ることができるのです。

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