世界のニュース(1)

〜バングラデシュ洪水のその後…〜
洪水がおさまった後も、子どもたちは困っている…

 2004年、6月から9月にかけて、とてもひどい洪水がバングラデシュなど南アジアの国々をおそった、というニュースは、このウェブマガジンの5号でもお伝えした通りです。

その後、バングラデシュの今のようすが伝わってきました。

今年の洪水は、過去6年で、もっともひどいものでした。田畑は流され、子どもたちには食料が足りていません。今、ひどい栄養不良になっている子どもと女性は150万人いるそうです。そして、洪水のために家を失った人は3,000万人もいます。

何とかしようにも、水がひかないため、農家では次の作物を育てるための種まきさえできません。農業でくらしている人が多いバングラデシュでは、作物がとれなければ、収入を得ることはほとんどできないのです。

「食べ物を買うお金がない、ただそのために子どもたちは、おなかをすかせ、栄養不良になっています。それに、ほとんどの子は、洪水の前もあまり栄養状態が良くなかったので、今どうにかしなければ、本当にひどいことになってしまいます」と、ユニセフの栄養担当官 ハリエット・トーレスさんは言います。

おなかに赤ちゃんのいるお母さんや赤ちゃんにお乳をあげているお母さんの栄養状態も心配されます。お母さんに栄養が足りないと、それは直接子どもに大きな影響を与えてしまいまうからです。でもこうしたお母さんの半分は栄養がとても不足していると報告されています。
また、洪水によって、飲み水も汚されてしまいました。そのために、子どもたちはひんぱんにげりになり、命さえ失っている赤ちゃんや小さい子たちもたくさんいるそうです。

ユニセフは、同じく国連の機関であるWFP(世界食糧計画)と協力して、もっとも被害が大きい地域の子どもや女性に、栄養を強化した食べ物を届けています。また、バングラデシュ政府とも協力し、子どもたちに、寄生虫を取り除く薬やビタミンAのカプセルを届けたりもしています。

今年は、日本でも台風が次から次へとやってきて、各地で大きな被害をもたらしました。日本でもその被害から立ち直るためには、大きな努力と政府やいろいろな人びとの協力が必要です。
普段からあまり社会のシステムが整っていない開発途上国でこうした自然災害が起こってしまうと、被害もどんどん大きくなっていってしまい、そこから立ち直るためには何倍もの力が必要となります。ユニセフは、国際協力が必要だ、ぜひバングラデシュに支援を!と訴えています。(日本ユニセフ協会でも緊急募金を受け付けています)

台風や洪水、地震など、自然災害はある程度おさまってしまうとすぐに人びとの記憶から消えていってしまいますが、そのかげで、長い間苦しんでいる人びとや子どもたちがいるということを忘れたくはありませんね…。

バングラデシュの洪水についての情報は、以下でもお伝えしています。
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/bangla/2004.htm