世界のニュース(2)

あの悲劇から2カ月・・・。
〜キャロル・ベラミーユニセフ事務局長、ロシア学校占拠(せんきょ)事件現場を視察

みなさんも知っているとおり、9月のはじめに、罪のないたくさんの子どもたち、その家族を深い悲しみにつきおとすような事件がありました。あれからもう2カ月がたとうとしています。事件のあった学校にいた子どもたちはどのようにすごしているのでしょうか。

2004年10月12日にユニセフ事務局長のキャロル・ベラミーさんは、テロリストが、1000人以上の人質をとって学校にたてこもった事件のその後を視察するため、ロシアのベスランを訪れました。およそ172 人の子どもたちが、おそろしい悲劇のなかで命を失いました。ベラミーさんは、犠牲になった子どもたちのために、お墓に花をささげました。そのあと、あれはてた学校を見てまわり、ダメージの大きさに強いショックを受けました。ボロボロにくだけた壁や、数えきれないほどの銃弾のあとは、無防備な子どもたちがあまりにもひどい攻撃をうけたことをものがたっていました。

ベラミーさんは、この事件で運よく生き残った子どもたちがうつされた、別の学校をたずねました。その学校の子どもたちや先生たちとあうことができました。ベラミーさんは、事件のあった学校からうつってきた子どもたちに、どのように接しているのかをたずねました。すると、すべての子どもたちが、被害をうけた子どもたちをあわれむようなようすで、「彼らを友だちのように、そしてほんとうのきょうだいのように接するでしょう」と答えました。

ユニセフが支援している、子どもたちの心の傷をなおすためのリハビリテーションセンターにも立ち寄りました。そのあと、事件があった北オセチア共和国の大統領と教育大臣に会い、これからのユニセフによる追加の支援について、そしてこの地域の平和をおしすすめることがどんなに大切であるかについて話しあいました。

被害にあった子どもたちや、家族、地域にすむ人びとの心の傷をなおすことは、かんたんなことではありません。しかし、すこしでも早く立ち直ることができるように、ユニセフは支援を続けています。

この事件については、ウェブマガジンNo.6でもお伝えしています。
http://www.unicef.or.jp/kodomo/k_net/mag06/01.html