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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

コンゴ民主共和国:再び活発化し始めた武装勢力の動き

【2012年8月21日 コンゴ民主共和国発】

© UNICEF DRC/2012/Nseck
コンゴ民主共和国の国内避難民のためのムグンガ難民キャンプにて。コンゴ民主共和国の国内避難民の数は、2009年から2012年6月までに推定220万人に上る。

隣国ルワンダとの国境近くのキムブムバ村で暮らしていたアマニ・カジングフさん(25歳)は、今年7月、住みなれた土地を追われました。アマニさんは、キバティに設置された国内避難民キャンプに二人の子どもたちと避難。最初の2週間は、屋根もない場所での寝泊りの生活を強いられましたが、最近、やっと小屋を作る材料(支援物資)を手にしました。「いただいたビニールシートで小屋を作ることができます。毛布で、子どもたちを(寒さから)守ることができます」と、アマニさんは笑顔で語ってくれました。

今年4月以降、コンゴ民主共和国では、再び様々な形の暴力が各地で顕在化しています。複数の武力勢力が、各地の村で大虐殺や集団レイプ、拉致、搾取、虐待、子どもたちの兵隊への徴用を行っています。

「一晩中鳴り続いた銃声が止まった機会に、村を離れました」「何もかも置いて、キバティまでの長い道のりを歩いてきたんです」と、アマニさんは説明します。キバティは、北キブ州の州都ゴマから、12キロ離れた場所に位置しています。

2009年から2012年6月までの間に、国東部で住む場所を追われた国内避難民の数は、推定220万人。キバティでも、数千人が仮設の避難所での生活を余儀なくされています。避難民は、学校や教会の建物や近くのスタジアムなどに身を寄せています。食料や水も不足している他、正規の避難場所も足りていません。

「昨晩は、土砂降りの雨が降って、今までで一番大変でした。夜が明けるまで教会の屋根の下に立っていましたが、そこも人で溢れかえっていました」アミニさんはこう話します。

問題解決の「鍵」となる教育を脅かす現状
© Credit - OCHA
8月8日、紛争によって、何千人もの人々が避難生活を余儀なくされているキャンプを視察する国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長(写真右)。

8月8日、人道問題を担当するバレリー・アモス国連事務次長は、こうした状況を把握するため、キバティを訪問。出会った人々は、皆、同じような体験をしていました。「多くの人々にとって、避難を余儀なくされたのは、今回が初めてではありません。全ての人々が、戦闘が終わることを望んでいます。家に帰りたいのです」 アモス人道問題担当次長は、こう述べました。

「子どもたちが日常の感覚を取り戻すためにも、また、この危機から守るためにも、教育が鍵です」ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所のシルヴィー・フェテ代表代行はこのように強調しました。

現在広がっている危機の中、250校以上の学校が、武力勢力による略奪や校舎の破壊の憂き目に遭い、あるいは、避難場所を求めている人々の生活の場となっています。こうした状況により、新学期を迎える予定の6万人の子どもたちが、難しい状況に直面しています。

最低限の物資の配布と、緊急アピール

現在までに、ユニセフは、国連人道問題調整事務所(OCHA)の戦略面でのサポートを受けながら、人口の移動をともなう緊急事態への包括的な緊急人道支援活動を主導。様々な人道支援団体が、食料以外の支援物資や、教育、水と衛生の分野で最も危急な人道的なニーズを満たすべく活動できるよう支援しています。

8月6日から12日にかけて、ユニセフのパートナー団体であるノルウェー難民委員会と国際連帯委員会は、3万3,500人を対象に、衣服や敷布団、毛布、調理器具、ビニールシートといった基本的な支援物資を配付。また、ユニセフは、世界食糧計画(WFP)や国際NGOと共に、高カロリービスケットも12トン配布しました。

8月4日にユニセフが発表した最新の「人道支援報告書」によると、現地の活動を維持・展開してゆくために必要と見込んでいる約1億3300万米ドルの資金調達は思うように進んでいません。総額のうち3,500万米ドルは、栄養補給物資、コレラの予防と対策活動、教育、子どもの保護を含むコンゴ民主共和国の子どもと女性が最も必要としているニーズに応えるため、緊急に求められています。

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