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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第162報
震災から1年半。新しい施設で再スタート
気仙沼市マザーズホーム・牧沢きぼう(旧一景島)保育所 落成式

【2012年9月12日 宮城発】

震災から一年半となる9月11日、マザーズホーム・牧沢きぼう(旧一景島)保育所*の落成式が行われました。

新園舎のプレート除幕

気仙沼市一景島地区の同じ敷地内に併設されていた障害児施設「マザーズホーム」と「一景島保育所」は、東日本大震災の大津波により園舎を流失しました。その後マザーズホームは、新築地に隣接する福寿荘(老人福祉センター)内のスペースを借りてデイサービスを再開、一景島保育所の園児たちは近隣の保育所に転園してこの1年半を過ごしてきました。
日本ユニセフ協会は、気仙沼市の要請を受け、この2施設の再建支援を2011年7月に決定。1年2ヶ月の準備・設計・建設作業を経て、昨日落成式が行われました。

落成式は新園舎のプレートの除幕から始まりました。子どもたちも参加してお披露目された園舎の壁にはキリンや象などの動物が子どもたちを迎えるように配されています。そして、子どもたちを毎日安全に見守る園舎として設計されました。

菅原市長(右)より気仙沼市から日本ユニセフ協会への感謝状贈呈

式典には、気仙沼市 菅原茂市長、気仙沼市議会 臼井真人議長を始め多くの方々が参加くださいました。また、震災当時、気仙沼市の中央公民館の屋上に避難していた一景島保育所の子どもたちとマザーズホームの内海直子園長の救出を、園長の息子さん(ロンドン在住)がツイッターで訴え、そのツイートを目にした猪瀬東京都副知事の指示で東京の消防ヘリが救護にあたったことをきっかけに、猪瀬東京都副知事も来賓として出席されました。

今回の園舎の建築を担当した伊藤喜三郎建築研究所の原勇次氏は園舎について式典でこう話しました。「建物をつくるということには、多くの方々の篤い思い、願いがこめられています。私たちはその篤い思いを一つずつ丁寧に形に積み上げてきました。これからは利用する方、地域の方々に、多くの方の思いがこめられたこの建物を愛していただきたいと思っています。」

4月にもマザーズホームを訪問したアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使は、「この日を迎えるためにたくさんの思いがつながったような気がします。猪瀬東京都副知事によって多くの命が救われた。そしてその後、市の支援があり、ユニセフに寄せられた世界中の人々の愛情が形になったことを本当にうれしく思います。ユニセフではBuild Back Betterという理念を持っています。前よりもよりよい環境をつくる。気仙沼も前よりも輝かしいすばらしい町になると確信しています。きっと東北の子どもたちが日本を背負って立つ大人になるのではないかと思います」と挨拶されました。

 

式の最後には、子どもたちからのプレゼントがありました。旧一景島保育所に通っていた子どもたちが現在通っている内の脇保育所の子どもたちから踊りと、マザーズホームの子どもたちからはお礼のお手紙が読まれました。そして、手作りの大きなカードも手渡されました。

新しい園舎を前にマザーズホームの内海園長は、「子どもたちが外で遊べることが本当にうれしい」とお話されました。牧沢きぼう保育所は、10月1日の始業に向け準備が進められています。また、今回2つの施設が新設された敷地の中には、福寿荘や障害者通所授産所があり、また病院や養護学校も隣接するなど、複合的な福祉エリアとしての相乗効果も期待されています。

 
落成式の後に行われたアグネス大使の絵本の読み聞かせ    

*10月1日の始業に向け準備の進む新しい保育所は、牧沢きぼう保育所という名称での再開が予定されています。

写真クレジット全て:© 日本ユニセフ協会

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