
ロヒンギャ難民緊急募金:栄養不良の子どもたちへの支援
洪水地域や水田を歩き、避難キャンプを目指す、ロヒンギャ難民
8月25日以降にバングラデシュに逃れた人々のうち58%が18歳未満の子どもで、60%が女性(そのうち3%が妊婦、7%が授乳中の女性です)だとされています。8月25日以降の急激な難民流入に加えて、以前から避難していたロヒンギャ難民や受け入れ地域の住民など、72万人の子どもを含む120万人が今すぐの人道支援を必要としています。
多くの人々が何日もかけて悪路を歩きつづけ、粗末な筏(いかだ)やボートなどで国境を渡ってきています。バングラデシュにたどり着いても彼らの戦いは終わったわけではなく、十分な住居スペースがなく雨風にさらされる人もいれば、トラウマや忘れられない傷を抱えた人、疲弊していたり、病気や飢えに苦しんだり、と多くの人たちがケアを必要としています。 水もトイレも不足する難民キャンプや仮設居住区では、子どもの8割以上が栄養不足の状態にあり、最大で4割の子どもが下痢性疾患に、6割の子どもが呼吸器感染症にかかっています。さらに、3月からはサイクロンによる降雨量が増え、斜面の多いキャンプでの土砂崩れや汚水の氾濫が懸念されています。劣悪な衛生環境のもと、コレラなどの感染症が広がれば、数千人の命が脅かされる恐れがあります 。
ロヒンギャ難民の子どもに予防接種を行うユニセフの保健員
ユニセフは子どもたちとその家族への支援活動を拡大しています。しかしながら、バングラデシュではサイクロンの季節が近づくにつれ、人口過密の難民キャンプや仮設居住区に住む52万人以上のロヒンギャの子どもたちの健康や安全がさらに脅かされる危険が差し迫っています。はしかの症例は減少傾向にあるものの、ジフテリアの疑いのある症例は流行の宣言以降5,000件を超え、1月26日週のみでも384件の新たに疑いのある症例が報告されています。これに対応するために、ユニセフは1月27日からジフテリアの予防接種キャンペーンを展開。141,715人の子どもに予防接種を提供しました。(2018年2月時点)
すべての子どもが守られ、権利を享受できるよう、水と衛生、保健、栄養、教育、子どもの保護や開発のためのコミュニケーション(C4D)などを通じた行動変容や政府との連携に取り組んでいます。
コックスバザールの配布センターで支援物資の列に並ぶ何千人ものロヒンギャの子どもたち
今回の危機以前から、バングラデシュには、多くのロヒンギャ難民が身を寄せています。2016年10月には7万4,000人のロヒンギャ難民が国境を越えてバングラデシュに逃れました。
それ以前より難民登録しているロヒンギャ難民は3万2,000人、さらに、難民登録されていないミャンマー出身者は30万人から50万人いると推定されており、甚大な人道危機にあります。
ユニセフは、バングラデシュ南部に逃れたロヒンギャ難民の子どもを含む、支援を必要とする72万人の子どもへ緊急支援活動を行うための資金として、1億4,460万米ドル(157億6,140万円※1米ドル=109円で計算)を国際社会に要請しています。ユニセフは子どもたちに必要な支援を迅速に提供するために国際社会に支援を呼びかけていますが、一刻を争う現地の状況に対し、必要な活動資金は圧倒的に不足しています。最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ロヒンギャ難民緊急募金にご協力をお願いいたします。
危機下にあるロヒンギャ難民の子どもたちと家族に、人道支援活動を届けるユニセフの活動を支えるため、
みなさまのあたたかいご協力をお願いいたします。
1米ドル=109円で計算(2018年2月時点。小数点以下切り上げ)
※輸送や配布のための費用は含まれていません。
※ご寄付の金額は任意です。
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座
振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ロヒンギャ」と明記願います。 *窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。