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ユニセフ子どもネットウェブマガジン
No.19
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世界のニュース(2)

学校へ行こう!一日に一食を学校で…
〜ニジェールの子どもたちをとりまく食糧不足と教育の問題〜

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ユニセフが支援する食糧配布センターにて。掲示板には65人の子どもたちが回復に向かっているとかかれています。

食糧不足が深刻な問題になっているアフリカのニジェールで、ユニセフによる『学校給食プログラム』がはじまりました。

ニジェールの教育省が9月からの新学期よりスタートさせたこのプログラムでは、学校に通う子どもたちに学期のあいだ、一日に一回の給食があります。

『学校給食プログラム』は、生徒たちの栄養状態をよくするというだけでなく、学校へ通う子どもたちを増やすことに貢献しようというものです。まだ試験段階ですが、このプログラムによって12州の250万人の生徒たちに給食を提供することができます。

ニジェールでは、約2500万人の子どもたちが学校に通っていますが、730万人の子どもたち(その多くは女の子)は学校に通うことができません。この『学校給食プログラム』は、一人でも多くの子どもたち学校に通うことができるようにするため、大切なとりくみとなるでしょう。

ミレニアム開発目標でも、2015年までに男の子も女の子も学校へ通えるようになること、学校で基礎教育が受けられるようにすることなどがあげられています。こうした目標を達成するためにも、ニジェールが取りくまなければならないことは、まだたくさんあります。

ユニセフは、2002年からニジェールで“チャイルド・フレンドリー・スクール〜子どもたちに優しい学校〜”を広める支援をすすめています。“子どもに優しい学校”とは、子どもが安心して学べる環境・安全な水と男女別々の衛生的なトイレが整っている、トレーニングを受けた先生による教育を受けられる環境が整っている学校のことです。

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小学校で授業を受ける女の子

クジ学校は、ユニセフがニジェール全土に広げたいと考えている“子どもにやさしい学校”として最もよい環境となった学校です。ユニセフと連携している英国航空の協力で、41つの教室、図書館と実験室とコンピュータールームをひとつづつ、またトイレなどを含む衛生施設などが提供されました。その他にもサッカー場やバレーボール・コートなどのグランド設備、机や椅子、本やコンピューターもふくまれています。

またここは、これからも多くの学校が“子どもに優しい学校”となり、たくさんの子どもたちが通えるように、先生がかよえるトレーニングセンターの役わりも担っています。

この“子どもに優しい学校”のプログラムに、9月から『学校給食プログラム』の支援が加わりました。

「慢性的な栄養不良でいるニジェールの子どもたちは、“子どもに優しい学校”に、給食がプラスされたことをとてもよろこんでいます」とユニセフのスタッフは話しています。このとりくみをおこなうことで、子どもに必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養を摂取することや、給食があることは学習効果をあげるだけでなく、入学や出席率をあげることにもつながるからです。

これまでになく深刻なニジェールの食糧不足は、子どもたちの健康に大きく影響しています。それを少しでも防ぐためにも、また子どもたちが子どもたちらしい生活を送るためにも、『学校給食プログラム』は大きな役割をはたすこととなるでしょう。

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