世界のともだち

スタディツアー視察報告

モンゴル  スタディツアー報告  (2012年7月22日〜7月29日実施)

4. ダルハンオール県の事業

(1) 子どもの保護と家庭開発戦略

ダルハンオール県内の477世帯で、ユニセフの支援プログラムは実施されています。支援の分野は、教育・心理・社会福祉・労働・経済など様々ですが、各家庭のニーズにあわせて支援を進めています。支援グループのメンバーとして、ソーシャルワーカー、国家公務員、NGO、教師等が活動しています。ダルハンオール県の4つの村にはバクと呼ばれる16の集落がありますが、各バグの長が中心となって家庭教育調査を進めています。調査の結果、子どもの遊び場がなく家庭の収入が低い、社会保険に加入していない、失業者が多い、飲料水の水源が確保されていない、などの問題を把握することができました。
また、都市部では、子どもたちの犯罪が問題となっています。ダルハンオール県では、警察局子どもの問題担当者が改善に向けての対応を進めています。中途退学する子どもたちが犯罪に巻き込まれることが多く、グループでの犯罪も増えています。こうした子どもたちは、親の離婚問題やアルコール中毒、また、家がなくアパートの階段下に住むなど、家庭の問題も抱えています。

(2)移動式ゲル幼稚園

オホン村の第9幼稚園では、2歳から6歳までの園児がお話・文字・数などを学んでいます。
移動式ゲル幼稚園は、6月1日から9月1日までの三ヶ月間開園され、ゲル形式で幼稚園を開園する利点は、まず、経済的であること、そして、移動が簡単なため、必要としているところで開園できることです。ユニセフは過去5年間にわたり移動式ゲル幼稚園に、家具や遊具、ゲル建築や保母の育成等の支援を続けてきました。ゲル幼稚園は、就学前教育として一定の成果をあげています。

ゲル幼稚園の子どもたち
ゲル幼稚園の前で

(3)移動養蜂家によるファミリーエンパワメント

蜂蜜協会の協力を得て、移動養蜂家が貧困家庭等から20人を選び、専門職として雇用して蜂の育て方を教えることにより、貧困家庭の生活水準を上げることに成功しています。移動養蜂は、通常5人で1グループです。2週間毎に新しい蜂が生まれるので、その度に新しい養蜂家グループを増やすことができます。1箱の蜂蜜を飼育すると1年で20ℓの蜂蜜を取ることができ、1kgの蜂蜜は20,000から25,000トゥグルクで販売できます。1世帯1箱で始めた巣箱の数が努力により増え、それによって収入も増えてきています。

蜂蜜収穫作業

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日本ユニセフ協会