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スイス:まずしい家庭とゆたかな家庭の教育の差をちぢめるために

2015年1月22日


© UNICEF/NYHQ2014-0397/LeMoyne
避難(ひなん)した子どもたちが安心して遊んだり学んだりできる「子どもにやさしい空間」のようす(中央アフリカ共和国)

ユニセフは22日、新たな報告書『教育と公平性への投資(とうし)事例』を発表しました。この報告は、世界の多くの国で、子どもたちへの教育に使われるおおやけのお金について調べたものです。最もゆたかな20%の家庭の子どもにくらべて、最もまずしい20%の家庭の子どもに使われるお金の量が、とても少ないことが分かりました。その差は最大で18倍にもなります。

報告書によると、教育に使われるお金のうち、最も高い教育を受ける上位10%の学生にわりあてられているお金は、低所得国*では平均46%です。これは、残りの平均54%のお金を90%の学生が分け合っている、ということでもあります。ユニセフは、この状況(じょうきょう)に対し、公平にお金を使うようにと意見しています。また、まずしい地域や紛争(ふんそう)が起きている地域の子ども、女の子、障がいのある子ども、広く使われていない言葉を使う子どもたちを優先的に支援するよう、各国の政府(せいふ)によびかけています。

状況はよくなってきていますが、いまだに、世界中で5,800万人近くの小学生の年の子どもが学校に通えていません。さらに、教育に使われるおおやけのお金は少なくなりつつあります。ユニセフは各国の政府に対し、教育に使用するお金を増やし、助けを必要としているところを助け、公平にお金を使うように強く求めています。

*低所得国…その国が1年間にうみだしている富を国民の数でわった金額が低い国

■このニュースのくわしい内容は
 ユニセフ最新報告書 公教育への機会、家庭の経済状況で最大18倍差 貧困層と富裕層との格差是正を求める

公益財団法人 日本ユニセフ協会