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ニューヨーク:中米からアメリカに逃げる若者たち

2016年8月23日

中央アメリカに住むたくさんの子どもたちが、こわいギャングや、貧しさから逃れるため、あらゆる危険をおかしてアメリカに渡ろうとしています。

ユニセフは報告書『敗れた夢−中央アメリカの子どもたちの米国への危険な旅』の中で、こう訴えます。
「難民になる多くの子どもたちは両親がおらず、弱い立場におかれています。また、彼らは安心できる場所がありません。自分の国にいるときも、メキシコを通過するときも、アメリカに着いてからも、すべての過程において、保護が必要なのです。」

ユニセフ事務局次長のジャスティン・フォーサイスは言います。「若い難民や移民のために大切なのは、彼らの母国での暴力をなくし、経済を発展させることです。」すでに今年の上半期には、保護者なしでアメリカへ逃れようとした2万6,000人の子どもたちや2万9,700人近い家族で移動する人々(その多くは女性と子ども)が、アメリカとメキシコの国境でつかまりました。さらに多くの人々が国境までたどりつくことなく、誘拐(ゆうかい)・人身取引・殺人などの被害(ひがい)にあい命を失っています。

自分の国に送り返された子どもたちは、彼らが逃れようとしたギャングから襲われたり殺されたりするかもしれません。ユニセフは、子どもたちが移民にならなくても良い、暴力のない社会のために政府を支援しています。また、子どもたちが移動のあいだ守られること、そして送り返された子どもたちをその国の政府が支援することを訴えています。

「どのような立場であろうと、子どもたちはまず第一に守られるべき存在なのだ、ということを私たちは忘れてはなりません。私たちの使命は、彼らの安全を守り、健康的で健やかに成長できる環境を用意することです。」(フォーサイス事務局次長)

<抄訳:高橋七実(フェリス女学院大学)>

■このニュースの詳しい内容は
 増える中米の難民・移民 暴力と貧困を逃れ米国へ ユニセフ報告書『敗れた夢(Broken Dreams)』発表

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