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公益財団法人日本ユニセフ協会

10月11日は国際ガールズデー
2014年のテーマは「女の子への暴力」

【2014年10 月10日 ニューヨーク発】

武装勢力と行動を共にしていた際、性的虐待にあっていた16歳の女の子。(中央アフリカ共和国)
© UNICEF/NYHQ2012-0883/Sokol
武装勢力と行動を共にしていた際、性的虐待にあっていた16歳の女の子。(中央アフリカ共和国)

今年で3回目を迎える国際ガールズデー(10月11日)。今年のテーマは「女の子への暴力」です。この日を前に、ユニセフは世界で広がる女の子への暴力やそれを容認する人々の考え方について、9月4日の『子どもへの暴力防止キャンペーン レポート 統計版』をはじめ、これまでに様々な形で発表されたデータをまとめ、改めて紹介します。これらのデータは、暴力が10代の女の子たち、彼女たちの未来、そして地域社会や国の将来に与える影響について明らかにするものです。以下が主な発表内容です。

女の子への暴力

■身体的暴力
世界中で15歳から19歳の女の子・若者の約4分の1(約7,000万人)が、15歳以降、何らかの身体的暴力を受けたことがあると答えています。10代前半の女の子の3人に2人近くが、日常的に体罰を受けています。女の子は10代後半になっても親からの体罰を受けるとともに、パートナーからの暴力の被害にもあいやすくもなります。

■性的な暴力
20歳未満の女の子・若者約1億2,000万人(約10人に1人)は、強制的な性交あるいはその他の性的暴力を受けたことがあります。結婚したことのある15歳から19歳の3人に1人(約8,400万人)が、夫やパートナーによる精神的・身体的・性的暴力の被害にあっています。

15歳の少女と妹。姉は13歳のときに結婚して妊娠したが、夫に暴力を受けて流産した。(インド)
© UNICEF/NYHQ2009-2233/Khemka
15歳の少女と妹。姉は13歳のときに結婚して妊娠したが、夫に暴力を受けて流産した。(インド)

■暴力に関する考え方
世界全体で見ると15歳から19歳の女の子・若者の半数近くが、場合によっては−例えば、性的関係を拒む、無断で外出する、言い争う、子どもをネグレクトする、拙い食事等を理由に−男性が妻やパートナーをたたくことは正当化できる、と考えています。一部の国では、身体的・性的虐待の被害にあった15歳から19歳の女の子・若者の約10人中7人が、一度も助けを求めていないことがわかりました。その多くが、それが虐待だと思わなかった、問題だと思わなかった、と答えています。

■児童婚
世界では、7億人以上の女性が18歳未満で結婚しており、そのうち約3人にひとり(約2億5,000万人)が、15歳未満で結婚しています。最も児童婚の割合が高いのは南アジアとサハラ以南のアフリカです。

■女性性器切除(FGM/C)
アフリカと中東の29カ国で、約2,800万人の10 代の女の子が、女性性器切除(FGM/C)を受けています。それらの国の女の子たちの大多数がこの慣習がなくなるべきだと考えているにもかかわらず、いまだに残っているのです。

暴力を終わらせるために

避難所でレイプの被害にあい、暴力を受けた女性や女の子のためのセンターに身を寄せる女の子。(ソマリア)
© UNICEF/NYHQ2012-0703/Holt
避難所でレイプの被害にあい、暴力を受けた女性や女の子のためのセンターに身を寄せる女の子。(ソマリア)

「これらのデータは、暴力を容認し、存続させ、 正当化さえしている人々の考え方に訴えます。あらゆる地域の、すべての人への警告ととらえるべきでしょう」ユニセフ事務局次長のギータ・ラオ・グプタは述べています。

ユニセフは、女の子への暴力を防止するためのアクションを提示します。女の子を学校に通わせ続けること、ライス・スキルを提供すること、親たちを支援すること、対話によって考え方・社会通念を変えること、司法・刑事・社会的制度やサービスを強化すること、などが含まれます。「問題はグローバルですが、その解決策は、国、地域社会、家族のレベルで見つけなければなりません。我々には、若者を守り、教育し、力をつけさせ、そして女の子への暴力を終わらせる責任があるのです」(ラオ・グプタ次長)

■女の子への暴力:発表データ

報告書のダウンロードはこちら 『A statistical snapshot of violence against adolescent girls

■報告書『子どもへの暴力防止キャンペーン レポート 統計版 (原題:HIDDEN IN PLAIN SIGHT A statistical analysis of violence against children)』
今回発表されるデータの元になった報告書で、本年9月4日に発表されました。

■参考:子どもへの暴力防止キャンペーン
ユニセフは2013年7月31日、子どもへの暴力をなくすための行動を求める「子どもへの暴力防止キャンペーン」を開始し、暴力はどこにも存在するが、しばしば見えにくいところでおき、また、社会的・文化的規範によって容認されているということを訴えてきました。 ‘見えていないものを見えるようにする’(‘Make the invisible, visible’)という標語のもと、キャンペーンは、まずは人々の考え方、行動や政策を変えるための意識の啓発に努めています。同キャンペーンはまた、成功した取り組みを集め焦点をあてることで、暴力は防止することができるという考え方を伝えています。世界各地域の約70カ国がこのキャンペーンに参加し、さまざまな形の子どもへの暴力の発見、追跡、報告に力を入れています。